把瑠都　全勝ターン！大好きお酒も控えて快勝

旭天鵬を下す把瑠都（左） Photo By スポニチ

　大相撲春場所８日目は２１日、大阪府立体育会館で行われ、大関昇進を狙う把瑠都が中日で早くも勝ち越しを決めた。過去６勝４敗の旭天鵬を万全の寄りで圧倒。貫禄の勝利でこの日、４０歳の誕生日を迎えた師匠の尾上親方（元小結・浜ノ嶋）を喜ばせた。幕内では横綱・白鵬が無敗を守ったものの４人の大関陣が総崩れ。白鵬、把瑠都、時天空の３人が全勝で、それを１敗の日馬富士が追いかける展開となった。 【取組結果】

　いつもは陽気に引き揚げていく花道。しかし、勝ち越しを決めた把瑠都に笑顔はなかった。「（うれしさを）あまり感じない。まだまだ勝ち越しただけじゃあ駄目だから。これはよく分かっている」。エストニアの怪人にとっては、ストレート給金も１３勝以上が条件とされる大関昇進に向けての単なる通過点にすぎなかった。

　対戦相手の旭天鵬に対し、立ち合いで右を差した。「取りたかった」という左上手は逃したが、ここから怪力が本領発揮。相手が左を巻き替えたところを「出るしかないと思って」と、ここぞとばかりに突進した。セオリー通りの相撲でベテランをいとも簡単に寄り切り、大関陣が総崩れとなった中日で存在感を示した。

　この日、４０歳の誕生日を迎えた師匠の尾上親方のためにも、絶対に負けられない一番だった。前日の夜には部屋の関係者一同で誕生パーティーを開催。尾上親方は「把瑠都にしこたま飲まされた…」と春場所恒例となっている行事の様子を明かしたが、酒豪の把瑠都がお酒に手を出したのは、前日の後援者との食事会に続いて乾杯の１杯だけ。今場所に懸ける思いを行動で示すとともに、大関昇進に向け「頑張ります」と誓いを立てたという。

　取組後「疲れはちょっとある」と明かしたが９日目には今場所初の大関戦となる魁皇との一番が待つ。「気合を入れて取るだけ」。前日までは言葉や態度に余裕が見られた２５歳に、いよいよピリピリムードが漂い始めた。

[ 2010年03月22日 ]