矢野きよ実、「ＪＡＹＷＡＬＫ」中村容疑者の更正支える

涙ながらに記者会見した矢野きよ実

　覚せい剤取締法違反（所持）の疑いで逮捕・送検された人気バンド「ＪＡＹＷＡＬＫ」のボーカル・中村耕一容疑者（５９）と内縁関係にあるタレント・矢野きよ実（４８）が１９日、名古屋テレビで会見し、自らの潔白証明のため、大学病院で薬物検査を受け、陰性を示す診断書を警視庁に提出したことを明かした。同容疑者の覚せい剤所持についても「全く知りませんでした」と強調。今後も内縁の妻という立場から、中村の更生に全力で協力すると約束した。

　時折涙で声を詰まらせながら、矢野は１時間近く質問に答えた。「入籍を望んだ時期もあった」という中村容疑者の薬物使用容疑。逮捕当日は矢野の長男（１５）の卒業式だった。「心がつながっていればいいと思っていた。でも、寂しい時に会えなかったのが、覚せい剤に手を出した原因かと…」。１４、１５年前から交際を続け、都内の中村容疑者の自宅を最後に訪ねたのは８年ほど前。様子の変化は「全くなかった」と繰り返した。

　逮捕の翌１０日からレギュラー番組出演を見合わせた矢野は、１日も早く仕事に復帰したいという思いから警視庁麻布署に捜査への全面協力を申し出た。警察に自身の潔白を証明してもらうためだったが、同署は矢野自身が捜査対象になっていないことを理由に“門前払い”。納得できなかった矢野は自ら、１３日に病院で薬物検査を受けた。

　陰性を証明する診断書を持って警視庁本部へ出向いたのが１７日。「私自身が（覚せい剤を）やっているという声が出ていることも知っていた」。覚せい剤使用の罪で執行猶予付き有罪判決を受けた元タレントの酒井法子さん（３８）は当初、任意捜査への協力を拒否して逃亡したが、対照的な行動だった。

　矢野は母（７８）と長男との３人暮らし。中村容疑者と交際を始めた時期と長男の誕生時期は重なるが、中村容疑者と息子の血縁関係の有無については、同席の弁護士が回答を控えさせた。「息子は大泣きしました。でも『“父さん”は１００％悪いことをしたんだから、僕らが一緒に謝っていこう』とも言いました」。戸籍は別ながら、長男は「父さん」と呼ぶほどの信頼を寄せていた。

　１７日に中村容疑者との接見が許された。「ごめん、ごめんね」とだけ繰り返す“夫”に「一緒に（更生しよう）ね」と伝えた矢野は「私としては、一緒に生活して、支えて歩いていければ」と将来的な入籍に含みを持たせた。薬物に心を奪われた同容疑者を献身的に支えていく覚悟だ。

　◆矢野　きよ実（やの・きよみ）１９６２年２月２５日、名古屋市中区生まれ。４８歳。高校在学中にモデル活動を始め、卒業後、名古屋テレビの番組でタレントデビュー。９０年代中盤から中京圏中心に活動し、テレビＭＣやラジオパーソナリティーとしての地位を確立。前夫は元プロ野球・中日、西武の前原博之氏。

　◆薬物検査　矢野が受けたのは「トライエージＤＯＡ」という検出キットによる尿検査。１０分程度の簡単な操作で、コカイン系麻薬、覚せい剤、大麻、モルヒネ系麻薬、フェンシクリジン類、ベンゾジアゼピン類などの重要な薬物が同時に検出できる。尿と反応液を検出ゾーンに浸潤させ、赤いラインが出れば陽性。