日馬全勝キープも説教された/春場所
<大相撲春場所>◇7日目◇20日◇大阪府立体育会館
大関日馬富士(25=伊勢ケ浜)が反省しきりの全勝キープだ。関脇豊ノ島(26)を寄り切った直後に相手の顔面を左手で強く押した行為を、友綱審判長(元関脇魁輝)が注意。審判部が、元横綱朝青龍関(29)の「専売特許」だったダメ押し拒否の姿勢を、しっかりと見せた。優勝した昨年夏場所以来の無傷7連勝も、日馬富士はしょんぼり。
熱戦に水を差す行為だった。日馬富士は、土俵を割った豊ノ島を振り払うように、左手で顔面を強く押した。「ダメ押し」された豊ノ島が土俵から落ちる。土俵下にいた友綱審判長は、驚いた表情で右へ避けた。館内は「あ~」のため息。日馬富士は風呂上がりに「勢いでね」と言い訳した。
言い訳直後、日馬富士の付け人が「審判部へ…」とつぶやいた。勝利の余韻に浸る間もなく、審判部へ出向く。呼び出した友綱審判長は「礼儀正しく。気をつけるように」と注意した。「分かりました」と頭を下げた日馬富士は「気をつけます」と、意気消沈した。
友綱審判長が説明する。「気合は分かるけれども、土俵の中だけの話。豊ノ島は明らかに戦意を失っていた」。確かに「ダメ押し」した時、豊ノ島は棒立ちだった。しかも、日馬富士は昨年九州場所で、土俵を割った鶴竜を右肩で小突き土俵下に落とした「前科」がある。これまでなら、審判部で審議した翌日以降に呼び出すことが多かったが、今回の対応は速く、異例だった。
「ノーモア朝青龍」の徹底だ。友綱審判長は、2日の力士会で手刀の切り方を注意した。手刀は近年、元朝青龍関の手を揺らしながら切る形が批判されていた。「ダメ押し」も元朝青龍関の専売特許だった。本来、注意されるべきだった行為が、朝青龍引退を機にようやく徹底されている。
日馬富士の無傷7連勝は、優勝した昨年夏場所以来2度目。豊ノ島の投げを何度もこらえ、白星をもぎ取った。兄貴分と慕った元朝青龍関については何も語らない。その気迫が乗り移ったように力の入った姿を見せるが、土俵態度まで見習えば冷めたものになってしまう。【近間康隆】
[2010年3月21日9時51分 紙面から]
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