第41回春高バレー(20日、深谷2−1東北、代々木第1体育館)伝統校同士の勝負は最後に加速した。深谷は最終セット18−18から持ち前の高いブロックを軸に東北を圧倒。7連続得点で一気に勝利をもぎとった。それでもエース池田知司(2年)は「正直、勝てると思わなかった」という。訳があった。
不測の事態は3日前の練習で起きた。アタッカーも務めるセッター伊藤裕之介(1年)が右足首をねんざ。満足いくスパイクが打てず攻撃の引き出しが減った。部員はリベロを含め7人。代役はいない。前日は全員で試合の話をすることさえ難しかった。
沈んだ空気を一掃してくれたのは、深谷から駆けつけた大応援団の声。「みんなの顔が変わっていた」と池田知。先輩、地元ファンを抱える伝統校の強みを生かして集中できた。ベンチが手薄で“がけっ縁”は続く。選手、ベンチ、スタンド一丸で乗り越える。