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インタビュー

flumpool

フランプール

flumpool

インタービュー

Excite: Excite Music初登場の皆さんですが、デビュー配信曲「花になれ」のスマッシュヒットで環境がガラリと変わったのでは?
(小倉)誠司:今までから比べれば忙しくはなりましたけどね。
Excite: “彗星の如く登場した”感のあるflumpoolですが、そもそも結成はどんな経緯だったんでしょうか?
(阪井)一生:僕と(山村)隆太と(尼川)元気の3人が幼稚園からの幼なじみで。バンド結成のきっかけは高校くらいの時に僕と隆太で路上ライヴをしたことですね。それまでは趣味程度にコピーバンドをやったりしていたくらいなんですけど、当時、路上ライヴから出てきたアーティストに憧れていたこともあって、「やってみよう」って出掛けたんですけど…。誰も足を止めてくれなくて、その日限りで解散しました。
Excite: 1回で!?
一生:はい。1回で。
隆太:それで今度は僕と元気とで一緒にやろうってことになって。一生も誘ったんですけど「もうヤダ」って言うので。
一生:最初の経験でヘコみまして。「もう恥ずかしいから」って断りました(笑)。
隆太:僕も最初は挫けたんですけど、それでもまたやりたいなと思って。だから元気を誘って2人でやってたら、しばらくして「混ぜてよ」って(一生が)戻ってきたので、3人でアコースティックでやることになったんです。
一生:最初は全然、お客さんもいなかったんですけど、半年位してからお客さんも集まってくれるようになってきて。
隆太:その頃から真剣に、力を入れてライヴをするようになっていきましたね。「お客さんの足を止めたい」「メッセージを届けたい」という気持ちで歌っていました。
Excite: 当時からオリジナル曲だったんですか?
一生:3人になってからはオリジナルを作り始めたんですけど、当時は3人が全員歌っていたので、3人で歌える曲を作ろうという感じで作っていたんです。
Excite: そして最終的に隆太さんがボーカルになったんですね。
元気:争奪戦でしたよ、みんな歌いたいから。でもいつの間にか決まっていきましたね。今となっては(自分が)ボーカルじゃなくて良かったって思うこともありますし。お客さんの視線を一身に浴びていて、大変そうだなって(笑)。
隆太:歌ってた頃から俯いて歌ってたもんな。
一生:そうそう!!俯いてた!
元気:歌いたかったけど、目立ちたくはなかったので(笑)。
Excite: その当時から今に至るまで変わらないものってありますか?
隆太:路上で歌っている時の“聴いてくれている人が目の前にいる”という感覚ですね。それは失くさないように心掛けています。目の前に人がいて、その人に歌っているという感覚というか。それはテレビの音楽番組に出ても変わらず持っていたいと思っています。
Excite: その3人と誠司さんが出会ってflumpoolが結成されたということですが、どのような経緯だったんでしょうか?
隆太:3年位前に僕らがドラムを探していて、地元の友人に「誰かいないかな」と相談したんですが、その友人の親友が彼(誠司)だったんです。
誠司:元々は彼らと同じ地元でバンドをしていたんですけど、その頃は地元を離れてのんびりバンドをしながら暮らしていたんです。そうしたら友人から連絡を受けて、音源を聴いて。それから半年位はかなりの距離を移動して活動をしていたんですけど、07年の1月に正式に加入してflumpoolとなりました。誘われた当時の僕は就職か、実家に戻るか、音楽を続けるかという選択肢の中で不安定な時期で。その時に彼らと出会って、隆太の声が良いなって感じたんです。独特なんですよね。冷たくもあり、艶っぽくもあるような、あまり聴いたことのない声だったので、そこに一番の魅力があって、彼らと音楽をやっていきたいと思ったんです。
Excite: flumpoolには“聴いた人を前向きにする”というテーマがあるそうですが、そのテーマは結成時に決めたんですか?
隆太:「こうしていこう」って決め込んだということではなくて、バンドをやりながら時を重ねていく中で思ったことから自然と生まれてきました。書いている曲の中に一貫性が出てきて、それがテーマというか、メッセージだったんですよね。
Excite: 聴いていると前向きになる、希望が湧いてくる。その想いを宿して完成したデビューミニアルバム『Unreal』ですが、最初のミニアルバムとなるとどんな曲を収録するか悩みどころだったのではないでしょうか?
誠司:みんなで相談しながら選んでいくのが第一なんですけど、配信シングルの「花になれ」、「Over the rain〜ひかりの橋〜」の他に、さらに新しく「春風」と「388859」と「Hello」を作って、flumpoolの「こんな表情もあるんだよ」っていう部分を聴いて欲しくて入れました。それとこれまでのflumpoolも聴いてもらいたくてインディーズで出した『ミライカナイ』から「labo」と「LOST」と「未来」を入れることで、また最近の僕らとは違う僕らを感じてもらえるかと思います。
隆太:曲順もすごく考えましたね。みなさんに僕らを知ってもらった「花になれ」から入って、僕らの深いところまで知ってもらえたら良いなという想いで、今の曲順になりました。『ミライカナイ』に収録していた曲はそれが僕らの原点だからこそ、録り直さずに当時の音のまま収録したんです。序盤に「花になれ」と「Over the rain〜ひかりの橋〜」を置いたのは、flumpoolの“分かり易さ”があると思ったからなんです。昔は変化球的な曲が好きだったのが、最近は直球勝負が良くなってきて、それを最初に聴いてもらいたかった。デビューが決まって、多くの人を意識するようになったからこそ、曲順でも直球勝負を強く意識しましたね。
Excite: 『花になれ』という多くのリスナーとの“出会い”となった一曲からのスタートで入り口の広い作品になりましたよね。
隆太:この曲は東京に出てきて最初に録った曲で、楽曲自体、未来を怖れずに花のように咲きほこっていこうっていう内容で、それが本当に自分達のまんまなんです。何も分からないままでいた自分達の不安な気持ちやそれでも夢に向かっていこうという想いから何か伝われば良いなと思う曲なので、ミニアルバムの“はじまり”にしました。
Excite: 東京に出てきてからの曲は地元でやっていた頃とは違う?
誠司:やっぱり違いますね。「春風」は本当に最近の曲だったりするんですけど、今までにないアプローチや引き出しを広げることも出来てきたりしてます。ストリングスの音が入ってきたりもするので、アレンジする時点でそういうことは意識してアイディアを出すようになったのも違いだと思います。
元気:それはありますね。「Over the rain〜ひかりの橋〜」ではストリングスを生で入れたんですけど、そのレコーディングに立ち会って、バンドだけだと無理な範囲まで楽曲の世界を広げられるんだってことを知ることが出来ました。
Excite: インディーズの頃の曲をそのまま入れたということですが、リテイクしようという意見はなかったんですか?
隆太:今でもメッセージは変わってないし、良いなと思っている音だったので…。
誠司:自分達の原点や根本が見えるし、自分達がやってきたことが大切だと思っているのでそのまま収録するのが重要だという気持ちもありました。
隆太:しかも最後に入っている「未来」は、flumpoolになって最初に作った曲なので、その曲で締めくくるというのも良かったですね。
Excite: 「花になれ」から始まって、flumpoolの原点「未来」で終わるだけに本当に“今”のflumpoolの全体像に触れる感覚ですよね。その作品に『Unreal』と付けたのはなぜ?
誠司:東京に出てきてからメジャーへ。そして今日までの日々が本当に有り得ないスピード感で、まるで自分たちのことではないような感覚もあるんです。『Unreal』って“有り得ない”っていう意味なんです。何がリアルなのか分からなくなりそうになったり、不安になったりしても頑張れるのは、その先に非現実な夢があるからこそ、その夢を実現しようとするからこそ頑張っていけるんだと思うという意味で付けました。もちろんそれこそがflumpoolとしてのメッセージでもあるのでその想いも込めました。
Excite: ジャケットも“有り得ない”ジャケットですよね(笑)。
隆太:攻撃的なまでの面白さで(笑)。
誠司:メジャーデビューしたての僕らを見て欲しいっていうことではあるんですけど、裸のままではなく、ちょっと包み隠してみました(笑)。
Excite: 包み隠した先にあるメッセージはミニアルバムから受け取れ、というわけですね。実際にCDを手に取るのを楽しみにします!
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