ヴァイオリン弾きの休日
Fiddler's Holiday
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ケーブルのブラインドテスト2 ブラインドテストの最初は、外観も音も対照的なBelden
STUDIO 718MKUと銀単線です。 |
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ブルッフのCDを続けて6回、聴き飽きたので自分たちの生録音(宅録)に換えて6回、合計12回聴きました。回答用紙を交換順のメモと照合したら、11回正解(91.7%)が1人、10回正解(83.3%)が2人、オーディオ音痴の家内も負けずに9回正解(75%)でした。 比較した感想としては、ブルッフのソロ冒頭のG線の開放弦の音がボーッと響くのがBelden、クッキリしてタイトに鳴るのが銀単線なので聴き分けできたそうです。宅録ではありのままの裸の楽器音と自分なりのちょっとした弾き方のアヤを どこまではっきり出てくれているか、という点をそれぞれに聴き分けたようです。つい今しがた弾いたばかりの音なので、演奏した本人にとっては、とても分かりやすい。宅録演奏の張本人として、さすが100%正解になっていました。 続いて、わが家のortofon Referenceと平行ビニール線です。ケーブル交換係がチェロさんに交代して、私も聴き手に回ります。前回の感想でブルッフのG線というヒントをもらいましたが、私には、6小節目で昇りつめたE線のハイポジション、2オークターブ上のC#とDの長音の艶やかさもポイントになります。もちろん、艶やかな方=ortofon。宅録では、自分のヴァイオリンのキュコキュコ音やザラつきが ことさら目立つ(つまり他に聴きどころがない)方=平行ビニール線です。やはり、家電用同等のビニール線は、音楽再生には限界があるようです。 条件を揃えて12回聞きましたが、2度目のメンバーは疲れて(面倒くさくなって?)パスという答も混じりました。それでも結果は、全員80%以上の正解でした。私はいつも聴いているケーブルだから公平ではありませんが、91.7%正解(ブルッフで1度だけ間違いました)。言いわけとしては、交換係さんの手抜き?で、4回も同じケーブルを続けた時があったので、そんなはずないと気を回しすぎて間違いました。家内もブラインドに慣れてきて、83%をクリアしました。 ケーブルによる変化はオーデョマニアでなくても、耳を澄まして聴けば誰もが分かるものでした。私だけの思い入れではありませんでした。ただし、聴き取る率には慣れやソースによる差は発生します。以上を集約すると、こんなまとめになります。 1) 慣れが大きく影響する 普段から聴き慣れているケーブルなら、交換した時の変化が分かりやすい。 また、ブラインドの再生音も慣れると、段々と変化に気づきやすくなる。 2) 分かりやすいソースと分かりにくいソースがある 楽器を演奏する人なら、自分の音を録音してチェックする。音楽ファンなら耳に焼き付いた愛用のソースで比較すると、僅かな変化も分かりやすい。 3) チェックポイントを絞リ込むと良い 総花的でなく、何小節目のG線開放弦とかE線の高域とか、違いが出る箇所で重点チェックすると分かりやすい。どの曲にも、そんな箇所はある。 4)チェック箇所は無数にある 音質、音調の表面的な違いから、解像度、緻密度、音場感による再現性の違い、躍動感、和声感、描写力などの音楽的な違いまで、聴き込むほど多彩な違いが見つかる。 これらの点に注意して本気で耳を傾ければ、ケーブルによる変化が聴こえないはずはありません。ケーブルを交換しても変わらなかった、という話をネット上で見かけることがありますが、どんなブラインドテストをしたのだろう、受け狙いのプロットではないかと疑ってしまいます。 |
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