| オフショア・カンパニーを正確に使用しても節税プランは将来いずれ画一的なものになる.. 「オフショア・カンパニーを正確に使用すれば、いろいろな節税プランが可能になる..」15年前に発信したこの言葉はその後独り歩きを始め、97年のSNN設立後も、ときに行列のできる?重宝なコンサル事務所と思われてしまいました..登録すればアドバイスは無料。実際には本屋の専門書立読み状態なのですから、大半がさらに第三者へとビジネス利用されただけだということは知っていました。それを何事も知ることは肝要と笑って見過ごしてきたわけですが、もうお終いにします。時代は明らかに変わりつつあり、見過ごせない兆候を呈しているからです。 スイス銀行協会は、先般の9月総会で、全世界的な税制強化への関心が集中している情勢を鑑み、タックスコンプライアンス ( 納税の遵守 ) の義務を負った個人のプライバシー権を守りつつ、一方で、各国の税徴収の面で手助けする妥協策としての新たな試みを発表しましたが、具体的には、近い将来において、フォームAに記載された真の所有者の居住国の税制に即し、委託預金各種毎に新たな源泉特別徴収の扱いが起きることになるのでしょう。 振り返ると、当時より、様々な依頼もどきの案件いずれもオフショア法人という法人格の取得に関る問い合わせが圧倒的に多く、中でも著名な弁護士事務所や会計士事務所等の専門職が媒介する傾向にありました。背景には、グローバル・ルールの必要性が叫ばれ、米国のやり方と主導でそのルールが作られつつある中で、日本と法体系の異なる国との間で、交わされる個々のある意図に拠る具体的取引契約が、契約形態や文言表現に因っては、解釈の違いが生ずることに多々際し、困惑していたからでしょう。 これに対して、オフショア分野の興味がその法人格活用に集中していたこともあり、法制度の国際ギャップを表現する上で、私たちは中世から続く「信託」という工夫の歴史を説き、トラストという概念に理解の差があるという点を一貫して解説してきました。そして、法人活用の前提として、その法人格は当該国における信託行為によって設立し、信託者と当該法人とは何の資本関係も経営関係も一切ないという形で設立することと、そのケーススタディ毎の効果と意味を明確に示してきたことは事実です。そして、一見の相対であっても正しい意図説明を一貫して抽象してきた自負があります。したがって、SNNのレクチャーを真に受けて理解の上に様々な運用を組み立てた方々は正論対処出来るでしょう。 法律は昔から網に例えられます。真に正しい例えだと思います。但しその網の目の大きさを自ら測ることは決して薦められません。百歩譲って網目に掛からないのは小魚と相場は決まっています。 だから最後に、.. 冒険が許されるのは若いうちだけです。(文責TI/2009.9改) |