東海、北陸地方のプロボクシングジムが加盟する中日本ボクシング協会(畑中清詞会長)の元幹部で、名古屋市内のボクシングジム会長の男性が協会の運営費を私的に使い込んだとして、協会がジムを除名し、男性を業務上横領容疑で刑事告訴することを検討していることが19日、分かった。協会は22日に開く臨時総会で対応を決める。
協会関係者によると、元幹部は03年ごろに協会事務局長に就任。運営費の支出規模が就任前に比べて著しく大きくなったのを協会側が不審に思い、今年2月上旬に協会員の一人が経理担当者に依頼して会計を調べ直したところ、約3800万円の使途不明金が判明した。
中日本協会は2月中旬に元幹部から事情聴取。元幹部は使い込みを大筋で認めた上でてん末書を提出した。このため協会は2月末に開いた臨時総会で、元幹部が会長を務めるジムを除名し、所属選手十数人を協会預かりとした。元幹部は除名に合わせて事務局長を辞めた。
畑中会長は「驚いた。怒りはあるが、まず協会にお金を戻してほしい。(元幹部が)戻す意思はあると言っているので、弁護士とも相談しながら対応を検討する」と話した。
中日本協会には32ジムが加盟。協会の運営費は各ジムの協会への加盟金(原則1000万円)や会費(1ジム月1万円)で賄われており、年間の運営費は約400万円。元幹部のジムからは世界、日本などの王者は出ていない。
毎日新聞 2010年3月20日 2時30分(最終更新 3月20日 2時30分)