女児連れ込み情報を県警把握　０６年、米国人に聴取せず

　米国籍の英会話教室経営の男（６９）＝福岡市早良区＝の自宅から小学女児を撮影したとみられる６００本以上のビデオが押収された事件で、福岡県警が２００６年に地元住民からの通報で男の自宅周辺を調べた際、「事件性がない」として本人から事情を聴いていなかったことが１９日、県警への取材で分かった。

　県警によると０６年秋、近くの住民から「男が自宅に女児を連れ込んでいる」との通報が数回寄せられた。捜査員は男の自宅周辺の聞き込みや張り込みをしたが、女児が男の自宅に入るのを見た上で「無理やり連れ込んでいる様子はない」と判断。本人から事情を聴かずに捜査を打ち切ったという。

　県警少年課は「犯罪性はないと判断し、当時としては適正な捜査だった」としている。県警によると、男はその後も女児へのわいせつ行為を続けていたとみられる。