自治体が地方債乱発、2年で借金17倍に(下)

国家財政に悪影響も

 京畿道水原市で光矯新都市開発事業などを推進している京畿道出資の京畿都市公社は、負債の比率が2009年9月末の時点で539%に達したが、営業利益率は07年の18%から、昨年は逆に5.8%にまで下落した。債権の発行などで負債が急増しているにもかかわらず、このように収益を出せないケースが多く、その負担は地方自治体が負うしかない。

 東洋総合金融証券のカン・ソンブ研究員は、「現在、借金をして行っている事業が5年、10年後に問題となることも考えられる。そうなった場合、将来の世代に大きな負担を負わせることになる」と述べた。

地方の負債による国家財政の悪化も

 専門家は、地方の公社などが借金をして事業を行った場合、後に国の財政の健全さを損なう恐れがあると警告する。韓国は米国や日本とは異なり、「財政再建団体制度」がないため、地方自治体の財政悪化は中央政府が交付金などの形で埋め合わせなければならない。最終的に地方が行う無理な開発事業は、国民の負担へとつながるということだ。

 中央政府が地方自治体に支援している交付金は、2006年には21兆5000億ウォン(約1兆7200億円)だったが、今年は27兆4000億ウォン(約2兆1900億円)へと増え続けている。

 漢陽大学経済学部の朱晩洙(チュ・マンス)教授は、「地方自治体や公社などによる地方債や社債の発行状況を見ると、子供が親に小遣い銭をねだるようなものだ」とコメントする。

 企画財政部によると、23の公社や自治体の負債規模は、2008年末には197兆ウォン(約15兆7000億円)に達し、前年の156兆5000億ウォン(約12兆5000億円)に比べ25.8%も増えた。

 これは、2003年の91兆6000億ウォン(約7兆3200億円)に比べると、負債の規模が2倍以上増えたことになる。05年には国の負債全体に占める地方自治体と公社の負債の割合は47%だったが、08年には63.9%へと17%近く増加した。国際基準によると、国の負債には地方自治体の負債も含まれるが、公社などの負債は含まれない。しかし、公社の負債は03年には75.1兆ウォン(約6兆円)だったのが、08年には177.1兆ウォン(約14兆1400億円)へと100兆ウォン(約8兆円)以上増えた。数字の上では、韓国の財政状況は比較的良好にも見えるが、実際は急速に危険なレベルに近づいていることが分かる。

崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者

チョン・ウォンソク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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