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2009サンフレ新戦力<下> MF中島浩司(31) '09/1/28

 練習拠点の安芸高田市が戦国武将の毛利元就と縁があると知り、興味を示すほどの歴史好き。「広島は川があるし、山がある」と魅力を並べる。好きな言葉は「温故知新」。古いものを学び、変化させて新しいものを生む―。言葉通りに活躍できるか、新天地での可能性に期待は膨らむ。

 ▽独創性武器に再出発

 2002年の仙台に続く2度目の戦力外通告を受けた。Jリーグ合同トライアウトを申し込む直前の昨年12月上旬、広島からオファーが届いた。即答で了承。安堵(あんど)感ではない。一人のサッカーファンとして広島に注目していた。パスがつながり、人もボールも動く。「サッカーが好きな人なら、誰でも魅力的に見えると思う」

 千葉でイビチャ・オシム氏と出会い、サッカー観に大きな影響を受けた。ペトロビッチ監督はオシム氏と師弟関係。「普通の監督はいいところにパスが出て、決定的な場面でシュートを打てばOK。2人はほかに選択肢はないか、周りはサポートできないかを問う」。自らのモットーは「アンチ普通」。型どおりでない答えに、探究心をくすぐられた。

 千葉ではトップ下、ボランチ、リベロでプレー。ユーティリティー性を買われた。広島の練習で早速、リベロの指名。「ポジションはどこでもいい」。言葉の裏には、どの位置でもゴールに絡もうとする意欲がある。走るコースやパスなど独創性も光る。

 ニックネームはずっと「コージ」だった。「森崎浩司選手がいるので、別の呼び名を考えてください」と呼び掛けた結果、「ナカジ」に決まりそうだ。「ほとんど呼ばれたことはないですね」と話す顔は、新しい自分のスタートを楽しんでいる。(広重久美子)

 なかじま・こうじ 1977年8月20日生まれ。181センチ、68キロ。堺市出身。宮城・仙台育英高―仙台―千葉。利き足は右。背番号35。

【写真説明】「自分たちのサッカーを追究して勝とうとする広島は魅力的」と新天地で張り切る中島(撮影・坂田一浩)




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