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サンフレ戦力分析<上> 新戦力 '09/3/2

 Jリーグ1部(J1)へ今季、復帰する広島の開幕が7日に迫った。昨季と同じ「3―6―1」の布陣。3年近くペトロビッチ体制で築いた「人もボールも動くサッカー」をさらに追究する。戦う態勢は整ったのか。新戦力、攻撃、守備に分けて分析する。

 ▽ミキッチ、右MFで本領

 宮崎キャンプ初戦のJ1川崎戦(2月20日)で、MFミキッチが初めてJリーグ勢と戦った。右MFに入り、DFストヤノフやMF森崎和幸がスペースにパスを送ると、計ったように走り込んだ。DFを抜き切らないタイミングでもクロスボールを上げた。

 トップスピードに乗るのが早く、走りは軽い。加えて運動量がある。韓国・浦項戦(22日)の初ゴールで本領発揮。FW佐藤寿人の左クロスに、逆サイドからゴール前へ詰めて合わせた。広島にはいなかったタイプで、ペトロビッチ監督は「戦術、連係面を学ぶのも早い。もっとなじむと思う」と手応えを感じている。

 J2の昨季は右MFで李漢宰がプレーした。佐藤寿は「ハンジェ(李漢宰)は、“ため”をつくることができる。ミカ(ミキッチ)は縦に速く行ける」と表現する。クロアチアの強豪、ディナモ・ザグレブでレギュラーだった。豊富な経験も、広島の新しい武器となる。

 ▽リベロ中島、層に厚み

 リベロとしてのMF中島浩司も大きなプラス。J1千葉で経験済みとはいえ、本職はボランチなど中盤。ショートパス主体のプレーは、ボランチ森崎和ともイメージが合う。ストヤノフが不在の時に、攻守のバランス役である森崎和がリベロに入る事態が避けられる。「中盤での経験を生かして、試合を落ち着かせることができる」と、指揮官の信頼を得た。

 J1千葉からの期限付きから完全移籍になったMF楽山孝志も好調。川崎戦では左MFで先発した楽山のクロスからゴールが生まれた。中へ切り込むだけでなく、縦への突破も試みて、好機をつくった。2年目のMF横竹翔はストッパーへコンバート。攻守の切り替えが身に付けば、面白い存在となりそうだ。

 降格した2007年は、日本代表選手が広島と代表を往復する中で、チーム成績は下降線をたどった。シーズンを戦い抜く選手層の厚みは、明るい兆しが見えている。(広重久美子)

【写真説明】川崎戦(2月20日)でドリブル突破を図る新加入のミキッチ(手前)。奥は李漢宰(撮影・坂田一浩)




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