Jリーグ1部(J1)広島は22日、宮崎市内で練習試合2試合を行った。主力組は浦項(韓国)に3―2で逆転勝利。若手中心の仙台(J2)戦は1―3で敗れた。
浦項戦は前半にPKなどで2点を失ったが、後半にひっくり返した。28分に左CKからMF中島浩司がヘディングシュートを決め、35分にMFミキッチが同点ゴール。39分にFW佐藤寿人のPKで勝ち越した。
仙台戦は前半8分にFW清水航平が先制したものの、パスミスなどから3点を奪われた。(広重久美子)
▽パス主体 森崎和と好相性
浦項戦、後半28分だった。MF柏木陽介の左CKをドンピシャリのヘッドで合わせたのは、後半からリベロに入った中島浩司。「フリーだった」と、ばっちりの手応えはゴール後の大きなガッツポーズで明確。2点差をひっくり返す口火を切った。
チーム全体の雰囲気が重く、2点を失った前半はベンチで見ていた。後半から入って最初のプレーは後ろから駆け上がるドリブル。右サイドへ展開し、中島自身がゴール前まで詰めた。チームは「前からプレッシャーを掛けよう」と意思統一。ハーフタイムを挟んで流れが変わった。
ストヤノフが不在の布陣をどう組み立てるかは、今季のポイントの一つ。ボランチ森崎和幸とリベロ中島のコンビは2度目。森崎和は「サッカー観が合う」と相性は良さそうだ。ロングボールも使うストヤノフに対して中島はショートパス主体。だが「人もボールも動くサッカー」の基本は変わらない。
「誰が抜けても同じサッカーをする」。ペトロビッチ監督は強調した。故障を抱える槙野智章と森脇良太の両DFが試合を回避。しかし、アジア・チャンピオンズリーグに出場する浦項に、逆転勝利を収めた。選手層の厚みを図る広島にとって収穫の一つが「リベロ中島」となった。(広重久美子)
▽ミキッチ初得点
練習試合の浦項戦で新外国人選手のMFミキッチが、移籍後の初得点を挙げた。2点差の劣勢から逆転へと導く後半35分の同点弾が記念ゴール。「運があった」と喜んだ。
FW佐藤寿人の左クロスへ逆サイドから走り込み、右足で押し込んだ。「自分のところへボールが来た。寿人のお陰」と、マークを引きつけながら粘ったエースを持ち上げた。
これまでの練習試合でも突破やクロスからチャンスをつくり、アシストは挙げてきたが、ゴールは初めて。チームも逆転勝利とあって笑顔が広がった。
【写真説明】【広島―浦項】後半28分、ヘディングシュートを決める広島の中島(35)。右端はDF盛田剛平(撮影・坂田一浩)
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