トレンドライン、サポートライン、レジスタンスライン、チャンネル、ピボット、週単位日単位で節目となる水準、直近の重要な安値高値、平均デイリーレンジ、通貨パワーバランス、出来高の増減、複数の移動平均線、経済指標発表、相場状況に応じて適切な指標だけ取り入れられる臨機応変さ、加えてファンダメンタル要因、これら人間の裁量による判断をコード化すれば膨大なアルゴリズムが必要になるでしょう。特に、トレンドラインを抜けたか抜けないかという繊細な判断と、その判断に至るまでの時間的な感覚は人間ならではの資質です。それだけ人間の判断は優れており人間の目でチャートを読むという事には大きな意味があると考えます。
つまり、エントリー判断において裁量は自動売買を凌駕すると考えます。しかし先に述べた通り、決済においてはポジション保有に由来するストレスや感情の発生によって人間は優れていません。したがって、この仕組みから導かれる結論として、両方のメリットを享受しようとするならば、エントリーは裁量による判断、決済は自動売買、という、二者ハイブリッド戦略が合理的だと考えます。
裁量とEAのハイブリッド戦略を採用するメリットは、決済をシステム化する事で、裁量トレードを「期待値」と「確率」の世界へ容易に導けるからです。ここで「期待値」という言葉は、ある試行を繰り返し行った際、確率どおりの結果が出た場合の収益の平均値を指す統計用語です。短く言えば、1回当たりのトレードに対する平均見込損益をいいます。期待値の計算は以下のようになります。
期待値 = ( 勝つ確率 × 平均利益 ) − ( 負け確率 × 平均損失 )
勝つ確率/負け確率は、トレーダーが採用する手法によって、あるいはその熟練度によって決まります。次に、平均利益/平均損失は、トレーダーが採用する「リスクリワード比」によって決まります。このリスクリワード比は、トレード毎の、TP(指値)、と、SL(逆指値)、の比率で決まります。短く言えば、「利食い幅」と「損切りの幅」の値です。スプレッドを抜きにして考えれば、
TP(利食い指値)20pips、、SL(損切り逆指値)20pips、仮にリスクリワード比が1対1ならば、期待値がプラスとなるための勝率は51%以上です。つまり、100回エントリーして、51回TP(利食い指値)に掛かれば、その期待値はプラスとなり従事するに値する行為となります。なぜならば、その行為を100回、1000回、と繰り返していけばいくほど期待値がプラスである限り、資産は増え続けるからです。FXを本業とされておられる人々、プロと呼ばれる人々の根底にある思想は同じ考え方を持っています。もちろん、スプレッド分マイナスとなりますが、限りなくスプレッドの狭い業者を採用する事でほとんど無視できるレベルまで落とすことができます。さて、真剣にエントリーポイントを見極めながら100回エントリーし、毎回のリスクリワード比を1:1とした場合、そのトレードが50回以上、先にTP(利食い指値)に掛かけるという事は一部の限られた人間にしかできない難解で高度な技術と言えるでしょうか?むろん答えは否です。
真剣にエントリーポイントを見極めるという考え方からすれば、エントリーは条件の揃った、ここぞという厳選したエントリーに絞れば良いということになります。スキャルピングかデイトレードかのスパンは違えども、厳選したエントリーポイントは1日に5回〜30回は訪れます。むろん細かいスキャルピングになるほど機会は多くなります。そして1回1回のトレード結果に拘る必要はありませんが、エントリーまでは一球入魂で人事を尽くす。エントリーポイントはSL(損切り逆指値)ラインよりも、先にTP(利食い指値)ラインに到達する、という確信をもったポイントに絞れば、100回エントリーして51回以上TP(利食い指値)に掛ける事は難しくありません。なぜならば、Drastic
Solution for
FXでは、エントリー判断用MT4ツールを用いた、トレンドライントレードの手法で極めてリスクリワードの高いエントリーポイントを把握できるからです。例えば、もし1:1で7割をTP(利食い指値)に先に掛ける事ができれば、
+70(利益)−30(損失) =+40(損益)
となります。まず100回試行して、TP(利食い指値)に掛ける回数が多くなればなるほど積み上げられる損益は大きくなります。繰り返しになりますが、重要なポイントとなるのは、「どれだけ良いエントリーポイントに集中できるか。」ということに集約されます。
<裁量とEAのハイブリッド戦略で使用するツール一覧>
1.エントリー用ツール(MultiSymbolDisplay
, CurrencyPowerStream , TrendLineOptimizer , MyTradingRuleDisplay ,
FXThermographType2 , Volume MovingAverage ,
PowerMovingAverage5Color, Pivot R1~R3 S1~S3 , TodayHigh ,
TodayLow , YesterDayHigh , YesterDayLow , PreviousWeekHigh ,
PreviousWeekLow
, BasicOrderScripts)
2.TP(利食い指値) SL(損切り逆指値) 入力用ツール(RapidAddSLTP)
3.利食いか損切りにかかるまで放置する。その間、リラックスして待つ。
4.損益ゼロ地点にSLを移行 自動トレーリング 決済音 使用ツール(BreakEvenTrailing
EA ,
CloseAlertEA)