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にっきです。

2009-05-22

muzcomoo2009-05-22

 助産院での出産。

| 16:27

 今回、助産院で出産したのですが、助産院で産んで本当によかったな〜と日々その思いが強くなっています。出産の99%が病院で行われる現代で、どうして助産院?と聞かれることもありました。だけど、普段から自然な食事や生活にこだわっていて、病院や薬が嫌いなわたしにとって、助産院は一番自然な選択でした。


 助産院は病院と一番違うところは、医療行為をしないこと。あくまでも産む人と赤ちゃんの生命力を尊重し、サポートすること。具体的には、薬を処方しない、陣痛促進剤を使わない、会陰切開をしない、分娩台がない、などなど。そのかわり、様々な食事やマッサージなどの細かい指導があります。


 病院ではよく陣痛促進剤を使うらしいですが、これを使うと産婦はかなり疲労してしまうそうです。なぜかというと、陣痛はずっと継続しているものではなく、最大90秒の子宮収縮があいだに休憩を挟んで繰り返し起きます。その休憩が非常に重要で、そのときに身体の疲労を回復しながらお産というものは進んでいきます。促進剤を使うと休憩がなくなり、ずっと陣痛が起きっぱなしなので、産婦はヘトヘトになってしまうそうです。

 そして会陰切開というのも、本来は赤ちゃんが自分のリズムでゆっくりと会陰を押し広げ、助産師さんが会陰が切れないようにサポートしてくれるので裂けることはめったにないそうですが、病院ではほとんどの場合切られてしまうそうです。これを行うと出産後猛烈に痛くて、立つのも座るのも大変、トイレに行くのは地獄のように痛く、人によっては痔の原因になったり、一生痛かったりするそうです。

 促進剤も会陰切開も、必要性があるときに施されるのならいいのですが、必要がない場合でもお産の時間短縮のために行われている場合もあるそうです。産科医不足のため、仕方がないのかもしれませんが、このことが自然のリズムを乱すもので、病院の都合であり産む人のためではないことは、一目瞭然でしょう。


 妊娠が判ったとき、それまで妊娠・出産というものがとても特別なものだと思っていたのに、これほどまでに自然なものなのかと思いました。これは「病」とはかけ離れたもので、自然現象のひとつでしかないのだな、と。

 歌は身体という楽器を使いますが、自分の身体はただの自然物なのだという実感を、わたしは歌の訓練の中から得ました。そしてその自然物である身体の自然なリズムで妊娠して、そしてそのリズムを人工的な医療行為などで乱すことなく、ごく自然に出産することができて、この子もとても満足だったんじゃないかなと育児を通じて感じます。今まで子供とあんまり触れ合ったことがなかったのだけど、赤ちゃんこそが本当に自然な存在で、赤ちゃんのひとつひとつの動作が、ごく自然な理由があるんですね。どうして泣くのか、どうして湿疹ができるのか、ひとつひとつの事象にちゃんと理由があるんだということを、子供を見ていると気付くことができます。


 で、わたしがなぜほのほ助産院*1を選んだかというと、食事が有機食材を使ってるからということだったりもするんですが。。。食事は自分の生活の中で一番重要なものなので、それだけは譲れませんでした。あと信頼できる友人がここで産んだというのもありました。出産については無知だったので、妊娠中に本を読んで病院の出産と助産院での出産について勉強して、この選択が自分にとって間違っていなかったと思ったし、その思いは出産したあとより強くなっています。

  • 助産院で産んでよかったこと。*( )内は病院の場合の補足。
    • 会陰切開しないですんだ。(上記の通り。)
    • 妊娠中からの食事などの生活指導のおかげで産後の回復が超順調。(→指導がほとんどない場合も。)
    • 最初から夫と母にサポートしてもらえた。(→「立ち会い出産」とは言っても、最初から立ち会えるとは限らないらしい。)
    • 陣痛中からずっとつきっきりで助産師さんにサポートしてもらえた。(→放っとかれることが多い。)
    • たっぷりカンガルーケアができて、すぐに母乳をあげられた。(→赤ちゃんが出て来たらすぐに別々にされることも。)
    • 産後すぐに立つことができた。(→会陰切開したらこれは無理らしい。)
    • 母子同室で最初から赤ちゃんとずっと一緒に過ごせて、お互いのリズムが作れて母乳が順調に出た。(→新生児室に入れられて、決まった時間にしか授乳できない場合が多い。)
    • 最初から布おむつを使うことができた。(→布は断られることが多い。)
    • ごはんがすごくおいしかった!(→病院食は・・・)

などなど・・・。きりがないんですが、わたしにとったらいいことづくめでほんとに助産院で産めてよかったです。

 妊娠中はとにかく「出産がゴール!」なのですが、実は大変なのはそのあとなのでした。ただでさえ疲労する出産なのに、薬たっぷり使われて、アソコをバチっと切られてしまっては、そのときは短時間で済むかもしれないけど、産後の身体の負担は倍増してしまうでしょう。それに比べて自然なお産は、身体を鍛えて健康的に準備をして自然のリズムにそって行われるので、その後の身体の回復もかなり順調な人が大多数のようです。わたしもそうでした。

 お産は誰かにしてもらうことじゃなく、あくまでも自分自身と赤ちゃんの力でやること。自分の身体の可能性を体感するまたとない機会です。そしてわたしは自分の最大の可能性を、助産院での自然なお産を通して学ぶことが出来ました。だって、こんなに美しい命を、自分の力で産み出すことができたんですから・・・。それは今後のわたしの人生において、揺るぎない自信となるものだと思います。

 いろいろなライフスタイルや考え方があって、いろいろなお産のスタイルがあります。わたしにとっては助産院での自然なお産が一番自然でしたが、そうではない人もいるでしょう。また、問題が起きて帝王切開しか認められない場合もあると思います。ただ、いろんなお産があって、助産院という選択もあるのだということを、もっと多くの人に知ってもらいたいなと思って書きました。もしまた妊娠することがあったら、この経験を活かして今度は自宅で産みたいなあ。


★追記:現在はバースプランを聞いてもらえる病院も増えているそうです。助産院の良いところを取り入れてくれる病院がもっと増えたらいいな〜と思います。

*1:わたしが産んだ助産院。豊中市http://www.tcct.zaq.ne.jp/bpaxj700/

甲南山手の一おばちゃん生徒甲南山手の一おばちゃん生徒 2009/05/31 16:27 出産おめでとう!
可愛い赤ちゃんが産まれていて安心しました。
春の良い季節に産まれたね。
いつか赤ちゃんの顔が見れる機会があるかな?
親子共々すこやかにね。

甲南山手のスタッフ一同甲南山手のスタッフ一同 2009/06/10 17:57 おめでとうございます♪
可愛いお子さんですね。
お元気そうで安心しました♪
「幸せな笑顔」を拝見し、みんなで喜んでます。
いつかお目にかかれるのを心待ちにしています
(*^^*)

muzcomoomuzcomoo 2009/06/17 10:22 コメントありがとうございます〜〜〜〜!
おかげさまで、母子共々とっても元気です。
娘は健やかに育っています。
またみなさんにお会いできるよう、がんばって育児していきますねー!

都内の主婦都内の主婦 2009/07/01 19:38 >あくまでも産む人と赤ちゃんの生命力を尊重

ということは、出産したものの赤ちゃんがすぐに亡くなってしまうことも、お母さんが出産途中で亡くなることも、出産中に高血圧になって母子共に亡くなることも、アクシデント全てを覚悟した上での選択だったわけですね。

私は、赤ちゃんを安全に産むことを最重要視したので病院で生みました。赤ちゃんがなくなってしまうことを恐れた 軟弱ものですが、これで良かったと思っています。

muzcomoomuzcomoo 2009/07/06 03:35 はじめまして。コメントありがとうございます。
助産院ではリスクのある妊婦のお産は認められていないのと、医療機関と提携しているので、万が一のことがあったら迅速に対応されるそうなので、ネット上にあるような助産院=危険なお産というのとは違うと思うんですけどね〜。実際に助産院を選んだ友人が二人、病院での出産を余儀なくされました。
おっしゃるとおり、わたしは自己責任で産むという覚悟の上で、助産院を選択しました。もちろん我が子の命を軽視しているわけでは絶対にありません。そのためにお産への身体作りもとても頑張りましたし、非常に健康な母体としてお産に臨むことができ、産後の回復も早かったです。
もっとも、健康ではない状態で助産院でお産されて事故が起きることもあるみたいですね。わたしは母体としてそのような状態になっていれば病院を選んでいたと思いますが、健康だったので助産院で問題なく出産しました。
いろんな価値観があると思うので、その人にとって一番安心できる場所でのお産が一番自然であると思います。都内の主婦さんの選択も、とても自然で素晴らしいものだと思います。何しろ我が子の安全が一番ですよね!
わたしは健康な母体は病院で産む必要がないのではないかと感じ、助産院を選びました。そしてこの日記に書いてあるように、母子ともに健康状態は非常に良好で、助産院で産んでよかったな〜と日々実感しているのですが、助産院でのお産がとても少ないと聞くので、こういう選択肢があるということを言いたくて、この日記を書いたまでです。