
(株)ティー・ワイ・オー(TYO)は10月17日午後、「TYOのマルチブランド戦略 ウルトラマンシリーズの新たなコンテンツ展開」と題した記者会見を開催。(株)円谷エンタープライズ子会社化及び(株)円谷プロダクション孫会社化の経緯、両社の経営改善に向けた施策、ウルトラマンの今後などについて、TYOの吉田博昭代取社長兼グループCEO、円谷エンタープライズの森島恒行新代取社長が説明を行った。
TYOは円谷エンタープライズの第三者割当増資を引き受け、同社株式80%を10月17日付で取得(子会社化)。また、同社は既に保有していた同社子会社である円谷プロ株式の45・5%に加え、本日18日付で円谷プロ株式の22・5%を追加取得するため、同社は円谷プロ株式の68%を保有することになる。その結果、TYOは円谷プロ株式の54・4%を間接保有(孫会社化)。株式取得総額は4500万円。これに伴い、円谷エンタープライズ(16日付)と円谷プロ(18日付)の新社長には、元SPE取締役で前円谷プロ非常勤取締役の森島氏が就任することとなった。
吉田TYO社長は「円谷プロの制作面の問題点はコスト管理。円谷プロが拘ったミニチュアワークはコストが高く、CGの方が短時間で安価にできる。CG合成に慣れた今の時代、もはやミニチュアワークは求められていない。ウルトラマンのヒューマンな部分は守りつつ、CG合成を使ってもっと格好良いウルトラマンを作る。経営管理面の問題としては、やはり長年の同族経営の結果、経済的・合理的な判断ができなくなっていた。今回の株式取得は、話を頂戴してから2ヶ月という短期間での決断だったが、円谷エンタープライズと円谷プロの社長だった円谷一夫さんがTYOグループ入りを強く求めた。一夫さんは円谷プロとウルトラマンを救う判断をしたと思う。私は円谷プロの創業者・円谷英二さんに何度かお会いしたことがあるが、英二さんは既存のやり方に拘ることなく新しいことにどんどん取り組んでいく人だった。これから円谷プロの制作・経営の手法が変わっていくが、もしご存命だったら英二さんも今回の改革を全面的に支持してくれたはず。円谷プロは素晴らしい会社に生まれ変わります」と力強く語った。