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娘の交際相手刺殺 12年求刑

2010年03月18日

  娘の交際相手を刺殺したとして殺人罪に問われた植木町の会社役員上野祐斎被告(43)に対する裁判員裁判の公判(柴田寿宏裁判長)が17日開かれ、検察側は懲役12年を求刑。弁護側は傷害致死罪が成立するとして懲役3年執行猶予5年が相当と主張し、結審した。18日は評議があり、判決公判は19日の予定。

  起訴状などで検察側は、上野被告が昨年9月、同町の会社の事務所で、長女の交際相手だった長洲町の無職洲崎昌司さん(当時38)の腹を包丁で3回刺して殺したと主張している。

  殺意の有無や上野被告の行動が過剰防衛にあたるかが争われ、検察側は論告求刑で「包丁で腹部を刺せば、大量出血し死に至ることは医学の知識がなくてもわかる。包丁を突き出した被告の右手を洲崎さんがつかんでソファに押し倒したのは身を守るため」と主張。弁護側は「包丁を持ち出したのは洲崎さんを脅して交際をやめさせるため。洲崎さんに体をつかまれ振り回された上野さんが反撃に出るのは正当」と反論した。

  裁判員の男性が上野被告に「事務所に入って、すぐに台所の包丁を取りに行ったのか」と質問。上野被告は「脅すものはないか見回したとき台所が目につき、包丁を取り出した」と答えた。

  上野被告の長女が弁護側証人として出廷し、周りについたてが置かれた。検察側の「会うのが嫌だったのか」との質問に「相手の気分で殴られ、たばこの火を近づけられた」と答えた。検察側の請求で、長女が洲崎さんにあてたとみられる手紙や2人で写った写真が証拠採用された。交際が双方の同意の上だったと立証するためとみられる。

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