プロ野球あす開幕　国際標準へ一歩前進　球審コール「ボール、ストライク」の順に

　プロ野球はパ・リーグが２０日、セは２６日に開幕する。今季のプロ野球のテーマの一つは、２０１３年に予定される第３回ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）での３連覇をにらんだ下地づくり。球審のカウントのコールを、米大リーグや国際大会と同様にボールを先にするなど、“国際標準”に近づける取り組みを始める。

　球審のコールを、ボール（Ｂ）ストライク（Ｓ）の順に変更するのは、国際大会での戸惑いをなくすのが狙い。大学、社会人野球もこれに統一する。高校野球は１９９７年から実施しており、シニアレベルで足並みがそろった。

　現場に混乱はない。横浜の三浦大輔投手は「常にカウントを意識しているから問題はない」。国際試合の経験が豊富なヤクルトの宮本慎也内野手もカウントには注意しているといい、「（日本とコールが逆だった過去の）国際大会で戸惑ったこともない」と話す。

　ただ球場のカウント表示はまちまちだ。横浜スタジアムは１２球団の本拠地では最初に「ＳＢＯ」から「ＢＳＯ」に。マツダスタジアムは５月に改修を予定する。表示板の改修や電光掲示板のプログラムの書き換えには百万円単位の経費が必要で、今季は静観する本拠地球場の方が多い。

　放送局は、ごく一部を除き、「視聴者が慣れていない」（ＮＨＫ）「東京ドームの表示が変われば」（日本テレビ）といった姿勢。画面表示やアナウンス方式は従来通りが大勢を占め、グラウンドの外は新旧が混在しそうだ。

　試合球をＷＢＣで使われる大リーグ球と同様にする検討も始まった。ＷＢＣで日本のボールより表面がツルツルして投げにくい大リーグ球への対応に選手が苦しんだため、出場選手への聞き取りをもとに加藤良三コミッショナーが発案した。現在は４社のボールが公認されているが、将来は１社に統一。大リーグ球と同質にすることを目指す。

　ただ、１社限定となれば公認社以外は死活問題。メーカー側は会社ではなく、規格の統一を訴える。メーカーと来年以降も使用契約している球団もあり、「障害はたくさんある」と関係者。調整は難航必至だ。（プロ野球取材班）