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大毅 坂田戦受けて立て


 世界ボクシング協会(WBA)フライ級王者、亀田大毅(21)が、次戦の態度を明らかにしていない。義務付けられている元王者、坂田健史(30)との対戦に消極的という。

 亀田が前王者、デンカオセーン(タイ)に判定勝ちした2月の世界戦は、本来なら、認められない試合だった。

 2008年大みそか、王者だった坂田が、デンカオセーンに2回KO負け。ラッキーパンチ1発をもらっての失冠で、坂田は負けた気がしなかったはずだ。

 デンカオセーンは09年5月、格下の日本人挑戦者に小差の判定で初防衛する。「勝機あり」と見た亀田側が交渉し、大毅がデンカオセーンに挑んだのが10月だった。結果は王者の判定勝ち。誰がみても納得出来る判定だったが、亀田側は不服を申し立て、再戦を要求した。

 当時、「これは無理な要求」と思っていた。同じ相手と続けて戦うリターンマッチは原則禁止。しかも、デンカオセーン―坂田戦が内定していたからだ。ところが、WBAは、「勝者が坂田と対戦すること」という条件をつけて、大毅戦を容認した。亀田側の「割り込み」が通ったのだ。

 世界戦は高額のファイトマネーなどをめぐってWBAや興行主の思惑が絡む。亀田側が、「デンカオなら勝てる」と再戦を実現させたことも、興行主の実力のうちだろう。

 それでも、すっきりしないマッチメークだった。減量が苦しく、2階級制覇を目指す大毅が初防衛戦をしないまま王座を返上するのでは、という憶測まで流れているが、実力ある坂田と堂々と戦うことが若き王者にふさわしい。

(真田南夫)

2010年3月19日  読売新聞)

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