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【群馬】

八ッ場ダム・湖面1号橋建設継続 地元は国交相判断を評価

2010年3月19日

建設継続が決まった「湖面1号橋」の工事現場=長野原町で

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 八ッ場(やんば)ダム(長野原町)の生活再建事業で建設の是非が焦点となっていた「湖面1号橋」について、前原誠司国土交通相が建設継続を表明した十八日、県や長野原町の関係者は「地元の要望を認めてくれた」と高く評価した。だが、こうした生活再建事業は「あくまでダム本体建設が前提」とし、国のダム中止方針を容認する意思がないことも、あらためて強調した。 (山岸隆、中根政人)

 大沢正明知事は「湖面1号橋は県が施工主体であり、早期完成に向けて引き続きしっかり対応したい」とコメント。国が建設の可否を公式に示していなかった中で、県が橋脚工事の入札を行ったことの正当性を訴えた。長野原町の高山欣也町長も「住民の生活再建関連事業はすべて実施するという発言と一致した判断で、評価する。ダム本体の建設も必要という判断を期待したい」と話した。

 ダムで水没が予定された地区の住民らで組織する「八ッ場ダム水没関係五地区連合対策委員会」の萩原昭朗委員長(78)も「もう一歩踏み込んでダムを建設すると決めてほしい」と語った。

 一方、「ダム中止の場合、1号橋は建設の根拠を失う」として、事業凍結を求めていた民主党県連の中島政希会長代行は「ダム中止に向けて総合的に判断した『政治的決定』であればやむを得ない」と説明。前原氏にダム中止のマニフェスト徹底を求めた。

 ダム建設中止を求める市民団体「八ッ場あしたの会」の渡辺洋子事務局長は「国が『ダムなし』を前提とした生活再建の青写真を示さない限り、個別事業で今後も(1号橋のような)トラブルが起きる可能性がある」と話した。

 

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