ワシントン(CNN) 米民主党指導部は18日、医療保険制度改革法案の妥協策となる修正法案を発表した。21日に下院本会議で採決が行われる見通し。内政の最重要課題と位置付ける法案が大詰めを迎え、オバマ大統領は21日に出発予定だったアジア太平洋歴訪を延期した。
予算規模は9400億ドル(約85兆円)となり、議会予算局(CBO)によれば3200万人の無保険者が解消される。10年間で1380億ドルの財政赤字削減を見込み、その後10年でさらに1兆ドル強の赤字削減を目指す。修正法案には上院と下院で可決された法案を調整するため、高額保険に対する課税措置の緩和などが盛り込まれた。上下両院の法案に沿って、高齢者向け保険メディケアの大幅な経費抑制も盛り込んでいる。
21日の下院本会議では、上院が先に可決した8750億ドルの法案と、修正法案について採決を行う見通し。修正法案の通過は、上院の法案を通過させることが前提となる。上院の法案が下院を通過すれば、オバマ大統領の署名で成立する。修正法案は上院での審議が必要になる。
法案を通過させるためには民主党下院議員253人のうち216人の賛成が必要だが、ペロシ下院議長は、上院の法案と修正法案の両方を可決できるとの自信を示している。
オバマ大統領は21日からオーストラリアとインドネシアを訪問する予定だったが、ギブズ大統領報道官によると、最終局面で法案通過を後押しするため延期を決めた。