15日午後3時15分ごろ、福岡市西区能古の能古島の海岸で、アサリ採取中の地元住民が、下腹部だけの女性の遺体を見つけた。鋭利な刃物で切断されたとみられ、着衣は身につけていなかった。遺体はバラバラに切断された可能性もあり、県警は同日、死体遺棄事件として捜査本部を西署に設置。殺人を視野に身元の特定を急ぐ。
県警によると、女性は成人で中肉、足の付け根部分から切断され、胴体もへそ付近から上部がなかった。遺体に目立った外傷はなく、死後数日から数週間。海岸に漂流したとみられ、砂浜の波打ち際で見つかったという。16日に司法解剖をして死因などを調べるとともに、現場周辺で他の部位の捜索をする。
遺体が見つかったのは「のこのしまキャンプ村」近くの北東部。発見者の女性は「肌はきれいで比較的、若い人に見えた。お尻には3、4カ所のあざがあった」と話している。
島内では行方不明者はいないが、福岡市博多区で6日から30代の女性会社員が失そうしており、県警は関連を調べる。
能古島は博多湾に浮かぶ、福岡市西区から渡船で約10分の離島。夏場は海水浴客、秋はコスモスの見物客でにぎわう。【島田信幸、金秀蓮、近松仁太郎】
静かな市民の憩いの島で、女性の遺体の一部が見つかった事件。暖かかくなり貝掘りシーズンを迎えた能古島で、様子を見に来ていた住民らが発見者となった。
遺体の一部を見つけた主婦(65)によると、干潮で現れた海岸に下腹部だけの遺体が打ち上げられていた。両足が股関節から切断され、上半身はなく尻の部分だけが見えた。切断面はすっぱりと刃物で切られたようだったという。
主婦は「最初は動物の死体かと思った。半信半疑で駐在所に通報した」と話していた。「遺体を見つけたのは3度目。10年に1度水死体などがあがる。そのたびにお寺でお経をあげてもらっている。でも、事件の遺体は初めて」と早期解決を願っていた。
別の住民女性は「貝掘りから帰っていたら、キャンプ場の南の方をパトカーが走っていた。手足も頭もない遺体が見つかったと聞いて……」と驚いていた。
県警によると、発見現場は島北東部の「のこのしまキャンプ村」の南二百数十メートルの地点。砂浜になっており潮干狩りの場所として人気という。
2010年3月16日