福岡市西区能古の能古島の海岸で15日、下腹部だけの女性の遺体が見つかった事件で、遺体は6日から行方不明となっていた同市博多区堅粕5、会社員、諸賀礼子さん(32)であることが、福岡県警のDNA鑑定で判明した。遺体の損傷が比較的少ないことから、県警は袋などに入れられ、遺棄された可能性もあるとみている。
捜査関係者らによると、諸賀さんは5日に会社を1人で退社。6日にゴルフの約束をしていたが集合時間になっても現れず、翌朝、上司が自宅を訪ねた。玄関は施錠されていたが窓ガラスが内側から割れていた。室内は荒らされた形跡はなく財布は残っていた。上司が7日、警察に届けた。
諸賀さんは昨年12月、インターネット交流サイト「ミクシィ」の日記に、11月の交通事故で相手の男性とトラブルになったことを記述。「家の門前に本人らしき人がうろついているのを見た。その後もかなり警戒して帰ってきています」と書いていたほか、1月3日には、この相手からの迷惑電話に悩まされていることを記載。大みそかに10回、今年の元旦に7回の着信があり、そのうち5回はワン切りだったという。県警は確認を進めている。
司法解剖の結果、死後1週間から10日。目立った外傷はなかったが、尻の上部と右側に生前にできたあざがあり、漂着したとみられる。【島田信幸、金秀蓮、近松仁太郎】
毎日新聞 2010年3月17日 西部朝刊