どこで遺棄?潮流から分析
どこで遺棄?潮流から分析 03/18 19:53

諸賀さんの遺体の一部が見つかったのは、能古島の東側の海岸でした。

漂着した可能性が高いとみられていますが、では、どこで遺棄されたのか、博多湾の潮の流れを研究する専門家に聞きました。

博多湾のほぼ中央に浮かぶ能古島。

切断された諸賀さんの遺体は島の東側、キャンプ村にほど近い海岸で見つかりました。

遺体は、海を流され、能古島に漂着した可能性が高いとみられています。

諸賀さんの行方が分からなくなったのが今月6日。

遺体の一部が発見されたのは15日です。

この最も長くて10日の間に、能古島の東側に漂着する可能性について、潮の流れを研究している専門家はこう分析します。

実は3月のこの時期、博多湾内では、一定の方向に向かう大きな潮の流れはありません。

漂流物は、潮の満ち干きによって行ったり来たりし、風の影響で出来る流れを受けながら移動することになります。

特に博多湾は水深が浅いため、風の影響を受けやすいとされています。

今月6日から15日にかけて、博多湾の風は北東や南東など東側から吹く日が多く、西からの風はほとんどありませんでした。

そのため、西側から島を回り込んで東側の海岸に漂着する可能性は、非常に低いといいます。

遺体は、潮の満ち干きによって行ったり来たりしながら湾内を漂い、15日の強い東からの風の影響で、能古島に漂着したというのが最も可能性が高いということです。

次に湾の外から漂着した場合です。

今月6日から9日にかけては博多湾外の潮は、北東から南西に流れていて、島の東側で遺棄された可能性が高くなります。

しかし、10日以降、湾外の潮の流れは、南西から北東に変わります。

そのため、湾内に入るためには、島の西側で遺棄されなければなりません。

ただ、いずれの場合にも、博多湾の入り口には渦を巻くような潮の流れがあり、湾内に入るには、非常に強い潮の流れが必要だということです。

しかし、今月6日から発見当日までに大潮の日はなく、むしろ、6日から9日にかけては潮の満ち干は小さくなり、その後、徐々に大きくなっていきます。

このため、湾内に入ってくる可能性は非常に低かったのではないかということです。

こうしたことから、吉川准教授は、遺体は、博多湾内の能古島の東側で遺棄された可能性が最も高いとみています。