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クロマグロ全面禁止を否決!日本への理解広がる

カタールのドーハで、ワシントン条約締約国会議に臨む水産庁代表
カタールのドーハで、ワシントン条約締約国会議に臨む水産庁代表
Photo By 共同

 カタール・ドーハで開催中のワシントン条約締約国会議の第1委員会は18日、大西洋・地中海クロマグロの国際取引を全面禁止する「付属書1」掲載を求める提案について採決し、反対68、賛成20、棄権30で否決した。

 昨年7月にモナコが提案を通知して以来、最大消費国の日本が台風の目となり、世界中の関心を集めてきた掲載問題。米国や欧州連合(EU)が支持を表明するなど劣勢が伝えられたが、反対を主張する日本は中東やアフリカの漁業国の支持を得て、土壇場で巻き返した。

 委員会での決定は本会議の承認を経て最終決定するが、モナコ提案を支持する国から再投票を求める動議が提案される可能性が高い。取引禁止支持国の動き次第では、本会議で結果が逆転する可能性も残り、今後の展開は波乱含みとなる。

 委員会では、モナコが「クロマグロのワシントン条約掲載は1992年の京都会議で否決された。それ以降、管理する『大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)』に期待していたが、資源管理は失敗し続けた」などと提案理由を説明。ワシントン条約による管理を主張した。

 対象地域の漁獲量の約8割を消費する日本は「クロマグロはICCATの枠組みで管理すべきだ。これまでICCATの決定に従わなかった欧州の国が条約掲載に賛成しているのは皮肉だ」と反論し、提案への反対を表明した。

 委員会では、欧州連合(EU)が、来年5月まで発効を遅らせるなど条件付きで提案を支持したものの、韓国、インドネシアなどアジア諸国、チュニジアなど中東が次々と提案への反対を表明した。

 日本は会議開幕後もぎりぎりまで発展途上国を中心に反対するよう働き掛けてきた。

 【解説】大西洋・地中海クロマグロの取引禁止提案を、議論の初日に否決することに日本が成功したのは、アフリカやアジアの発展途上国、アラブ諸国の間に、提案に反対する日本への理解が広がる一方で、提案を支持する国に足並みの乱れがあったからだ。

 日本政府は今回の会議開会前から、漁業を重視するアジアやアフリカの発展途上国を中心に提案への反対を働き掛けてきた。主要な漁業対象種であるクロマグロがワシントン条約で規制されることになれば、今後、太平洋のクロマグロやミナミマグロをはじめ、他の魚への規制強化に道が開かれるというのが論拠の一つ。これが説得力を持ったとみられる。

 一方で、提案支持を打ち出した欧州連合(EU)27カ国には当初、提案に反対した国があった。禁止支持は決めたものの、発効を遅らせ実施までに猶予期間を持たせるとの条件を付けた修正案を出さざるを得なくなった。 (共同)

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