禁煙セラピーの「アレン・カー・ジャパン」が営業停止、代表は自己破産へ

 禁煙セラピー事業を実施している「アレン・カー・ジャパン」(株式会社ハートエイド・東京都千代田区)が、債務超過により営業が困難になったとして平成22年2月28日付けで事業を廃止したことが明らかになった。代表の島田美帆氏は健康状態が悪く、休養をとる方向だという。
 
 また、同氏の個人資産はほとんどなく、換価できる資産は「なにもない状態」(弁護士事務所)であるという。今後は事業そのものに加え、すでに受講した人が受けられるはずの「返金制度」や「セラピーの再受講」などのサービスは一切受けられない。セラピー再開のめどは現時点で立っていない。
 
 腑に落ちない部分がある。派手な宣伝は「控えていた」と言われている同社である。確かに禁煙本の噂は聞いたことがあり、知っている人も多いが宣伝に経費をかけていたとは思えない。タバコの値上げや健康増進法による禁煙、分煙措置の拡大により、事業は需要に応えられるものだと思っていた。
 
 禁煙には病院の禁煙外来や電子タバコなどの方法もあるが、禁煙セラピー自体は競合他社もいない独擅場であった。それにもかかわらず営業が困難になるとはどういう経緯での破綻なのか関係者は公にする必要があるだろう。
 
 1月にセラピーを受けてきたばかりである。私も「卒煙」に失敗したら、3ヶ月以内なので再受講の権利があるのだが、どうやらそれは叶いそうもない。幸い今のところもう完全にタバコを吸う気がしないのだが、周りに勧めたかったので残念である。できれば全国にいるセラピストさんたちで再開されることを期待したい。それと同時に、返金されるべき人たちにきちんと返金されるように関係者の方たちには尽力願いたい。
 
 健康増進法や嫌煙権を主張する世論の後押しもあり、公共の場での喫煙はますます難しくなった。神奈川県内のマクドナルドでは全店全面禁煙が始まっており、吸う人にとっては喫煙場所の確保が困難だ。アレン・カー・ジャパンのプログラムで「卒煙しよう」と思っている人たちがまた受講できるように環境が整うことを願ってやまない。”卒煙”させてくれた同セラピーを感謝する者として切望する。
 
 
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★ 禁煙セラピーのアレン・カー・ジャパン
★ 私、タバコやめました。”禁煙セラピー”で「卒煙」した日(本ブログ・10/1/29)
★ 「飲食店は全面禁煙」厚労省、都道府県に通知(読売新聞・10/2/26)
★ 神奈川県内での全面禁煙(一部店舗は完全分煙)に関する取り組みのお知らせ(日本マクドナルド)

    • やよい
    • 2010年3月5日

    はじめてコメントします。

    記事を読んでびっくりしました。
    ネットで検索してもそれらしき情報は見つからなかったのですが、
    本当に営業を停止してしまったのでしょうか。
    また、差し支えなければソースを教えていただけると幸いです。

      • Nono
      • 2010年3月5日

      >やよいさん

      初めまして。
      わたしも驚いたのですが、本当です。
      情報源は法律事務所からの手紙です。
      セラピーを受講し、返金制度等を利用できる人たちや、セラピストの方、取引先などに同様の通知が成されていると思います。

      6時間でやめられたことに感謝しているので、タバコをやめたい方のために、できれば再開して欲しいですし、返金されるべき人たちには相応の対応をお願いしたいところです。

      私の受講きっかけが毎日新聞さんの記事でしたので、記事を探したのですが、今のところ倒産関連の記事はありません。

      なお、法律事務所は実在するところでした。

    • やよい
    • 2010年3月5日

    Nonoさま

    ご返信ありがとうございます。
    そうですか…。電話もつながらないそうなので、
    やはり事実なんですね。残念です。

    私は書籍のほうを読んで卒煙できたので
    生のセラピーを受けたことはなかったのですが、
    心理的なアプローチによる方法論には
    とても関心がありました。

    確かライセンス事業のような感じだったので、
    残ったセラピストの方々での再開も
    そう簡単にはいかないかもしれませんね。
    返す返すも残念でなりません。

      • Nono
      • 2010年3月6日

      >やよいさま

       本で卒煙できたなんて素晴らしいですね。本の評判は知っていたのですが、私もやよいさん同様、心理的アプローチに関心があり実際に受けてみることにしました。大学で心理療法の講義を受けたこともあり、興味津々でした。
       
       アレン・カー・ジャパンの実際のセッションは、50分ごとに「タバコ休憩」を「絶対にとる」という決まりがあり、みな楽しく?参加していましたが、正直に言うと、最後の1本を吸った時にはもう「これで吸えないのか、残念」ではなく、吸っていることに対する罪悪感のようなものが芽生えていました。

       タバコ休憩を入れることで喫煙行為を容認し、その一方でタバコの害を説くという「アメとムチ」という方法論が最後の「催眠療法」を後押ししたものだと思っています。
       
       いずれにせよ、今回のようなことになってしまい本当に残念です。これから需要が高まることは必至なので、どうにかして再開して欲しいと思っています。