串本町は16日、東京大大学院工学系研究科のアニリール・セルカン助教(36)を、「串本大使」から8日付で解任したと発表した。博士論文に悪質な盗用など不正が見つかったとして、東大が工学博士の学位を取り消したことに伴う措置。
セルカン助教はトルコ人初の宇宙飛行士候補と名乗り、各地で講演会を開き、生活インフラに依存せずに暮らせる住環境技術「インフラフリー」などを提案。同町大島でも昨年5月、町民約200人に聞き取りやアンケート調査をした。しかし盗用問題の発覚で、同町での調査も中止になっていた。町民への調査に同行した同町大島の川口久治区長は「私もつらい。何よりも学生がショックを受けているはずで可哀そう」と肩を落としていた。【山本芳博】
毎日新聞 2010年3月17日 地方版