暮らしの知恵が積み重なって、奥羽の里沢内の食文化が築かれてきました。少しずつ紹介します…

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 ☆奥羽の里・岩手西和賀地方の郷土料理レシピ集☆

このページでは、ここ沢内で以前から一般的に食べられている食材や料理を紹介したいと思います。ここの食べ物は、冬は深い雪に覆われるため、季節に穫れたものを上手に保存して、年中食べられるよう住人の智恵や工夫が詰まった一品ばかりです。

その土地土地によって気候や風土が違うため、またその作り手によっても、同じ食材でも味付けや、保存の仕方の工夫に違いはあるかと思います。そういったことも楽しんで見ていただけると嬉しいです。

なお村内で商品化され販売されているものもありますので、興味がおありの方はご一報いただけたら、入手方法などお答えいたします。

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【漬け物加工の豆知識】

1. 塩の効用

 漬け物の中で一番の基本的なものは塩。塩の使い方が悪いと、十分量の塩を使ってもそれだけの効用を果たしてはくれないようです。要は、漬け物全体に平均して塩が溶けるようにすること。塩水は真水より比重が重いため樽の底へ沈みやすいので、塩は上の方を多めにします。
 塩を足す場合は、表面にまんべんなくふれば、樽全体に溶けますよ。

2. 荒漬けと本漬け

 野菜を塩漬けする場合は、1回だけの場合と、荒漬け・本漬けの2回漬けがあり、一般的には野菜の余分な水分を除くため2回漬けが多くなっています。
 野菜には90%以上も水分があるので、荒漬けによって多量の漬け液が出ます。この漬け液を捨てて、本漬けにします。
 たとえば、きゅうり、大根、白菜などを漬け込む場合は、原料野菜の8〜12%の塩で荒漬けし、本漬けで5〜7%の塩を足し、漬け上がりの塩分を15%以上にします。

3. さし水

 白菜やなすなど塩漬けした場合、隙間が多いのでなかなか漬け液が上がってきません。そのような場合、漬け液の上がりを早めるために、さし水(=呼び水)をします。
 さし水は、一般に5〜10%の塩水を樽の縁から底の方へ流し込みます。押し蓋の上から漬け物全体にかけると漬け物に付いている塩も一緒に溶かしてしまうのでよくありません。

4. 漬け物の歯切れを良くする方法

(1)原料は過熱なものを用いない。過熱な原料からは歯切れの良い漬け物はできません。

(2)漬け液の上がりを早くする。微生物の酵素による野菜の軟化を防止するために、食塩をできるだけ早く野菜内に均一に浸透させることです。

(3)二次加工用の塩蔵は高塩分にする。15%以上の高塩分で野菜を塩蔵することは、腐敗防止とともに軟化防止に効果が増します。

(4)塩漬け時に焼きミョウバンを添加する。ラッキョウ、ウメ(小梅漬け)では塩漬け時に焼きミョウバン(0.1〜0.2%)を添加すると、歯切れの良い漬け物に仕上がるようです。

(5)酸による酸化を防止する。漬け液や調味液のpHが低くなると歯切れが低下します。漬け液や調味液が3.0%以下にならないようにします。

(6)漬け床にはよく熟成させた副材料を用いる。味噌漬けや粕漬けにおいては、漬け床に熟度の若い味噌や粕を用いると、その中に残存している酵素の作用により野菜が軟化しやすいため、味噌や粕はよく熟成したもの用います。

(7)加熱殺菌は過度に行わない。長期保存用の袋詰め(150〜200G入り)の加熱殺菌は70度前後10〜15分が標準になります。

ふきのとう(ばっけ)

ばっけ

長〜い長〜い冬が終わりを告げ雪が解け始めると、福寿草の黄色い花が咲き、ふきのとうがひょっこり顔を出してきます。小鳥のさえずりがたくさん聞こえたり、頬にあたる風が暖かくなっても春を感じますが、やはり土の間からきれいな黄緑色が見えると、あぁやっと春がやってきたんだなとワクワクしてきます。もぎ取ると、ふわりと春の香り、食すとほろ苦い春の味わい。春を首を長くして待っていたこともあり、その風味は格別です。まさに小さな春の使者。

春の使者福寿草とばっけ

食べ方としては、天ぷらやばっけみそにすることが多いようです。ほのかな苦みには食欲増進があるため、ついついご飯を食べ過ぎてしまいますが‥。

その他の食べ方としては、酢味噌あえ、みそ汁に少しはなしたり、長ねぎ代わりに納豆に加えたり、苞葉の間に味噌を塗り込んでアルミホイルに包んで蒸し焼きにしたり、パン生地に混ぜ込んだり、おやきの具にしたり、とさまざまに活用できます。ぜひお試しください。

○苦みがちょっと苦手‥という方には、苞葉だけ取って揚げたり、ふきのとうを縦2つに割って薄衣を付け大根おろしのつけ汁で食べてみてください。




一本漬け

一本漬け

沢内を代表する料理で、食べられる時期は真冬の短い期間ですが、お茶菓子に、食後のデザートに、お酒の友に、なくてはならない漬け物です。家によって味加減は違いますが、今回は高橋厚子さんのレシピで紹介します。

・大 根    25kg

・ザラメ   1.5kg

・こうじ    1kg

・塩     800g

・焼 酎  400cc

・酢    400cc

・粉カラシ  70g

(1) 大根をきれいに洗い、乾かないうちにボウルの上で一本一本に塩を塗る。

(2) 大根を除く残りの塩と材料の全部を(1)のボウルで良く混ぜ合わせる。

(3) 容器の底に(2)をバラバラと入れ大根を1段並べる。(2)を大根から落ちないようにかける(大根と大根がくっつかないように、(2)をあらかじめ分けておくと便利)。

(4) (3)をくり返し上段に(2)を少し多めにかけて、重石を乗せる。

(5) 水があがったら、徐々に重石を軽くしていく。

○この漬け方だと暖冬のときでも失敗することが少ない。

○涼しい場所に保管しておく。




ビスケットの天ぷら

ビスケットの天ぷら

ミスターイトウの母さんビスケット

米の粉を使った天ぷらは、昔から小昼として親しまれてきましたが、やはり油は貴重品でしたので、しょっちゅうというわけではありませんでした。むしろ現代に復活した創作菓子ですね。でもテレビ等でいろいろ取材もされ、ちょっとした話題の一品。

ビスケットを天ぷらにするという発想が意表をついて面白いし、もちろんとてもおいしいですよ。『ゆいっこ揚げ』の名で紹介されることもあります。

油で揚げた生もの惣菜ですので、特に商品として販売しているものではありません。お客さんが来たときとかに気分が乗ると、家庭で作ります。煮物や漬け物が並ぶもてなし料理の中の1品として取り入れることもありますよ。

(30個分)

・ビスケット(ミスターイトウの「母さんビスケット」【写真】がベストです)

・もち米の粉  1.5カップ

・小麦粉    0.5カップ

・砂糖

・塩

・油

・冷水

(1) もち米粉・小麦粉を混ぜ、塩・砂糖を加え冷水で溶く(マヨネーズより少し固め)。

(2) 鍋に油を熱し、170度くらいになったら、ビスケットに(1)の衣をまぶして油で揚げる。

○砂糖と塩は好みで味付けする。高温で揚げると周りだけ焼け中が半生になることがあるので注意する。

○手軽な裏ワザとして、市販のホットケーキ用の粉を使ってもおいしくできる。




凍み大根

凍み大根

真冬になると、軒下に大根を吊るした光景がよく見られ、冬の風物詩として雪景色に馴染んでいます。生鮮品である大根を、野菜の採れない冬場にあるいは春まで長期間食べるための保存食です。もどして煮物に使いますが、大根のエッセンスが濃縮されたしっかりした歯ごたえと、煮汁の良くしみ込んだ味わいに魅力を感じます。温かい地方では難しいかもしれませんが、ぜひご家庭で試してみてください。

凍み大根風景

凍み大根は商品化しており、販売もできます。

(1) 大根は洗って皮を取り、2つ割りにする。

(2) 大根に穴をあけて70〜80cmのビニールひもを通し結ぶ。

(3) 水に漬けて置き、夕方〜夜にかけて軒下に掛けて凍らせる。

○12月〜2月にかけて作る。氷点下の日が続く時期を選んで吊るすのがコツ。

○カラカラにまで干せなくても冷凍保存すると良い。カラカラになったら乾燥剤を入れて保存すると長もちする。

○ゆっくりもどしてから煮物に使う。


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