【社会】大洋薬品、意図的交換認める 品質検査サンプル2010年3月18日 09時09分 ジェネリック医薬品大手の大洋薬品工業(名古屋市中村区)が、高山工場(岐阜県高山市)で調合ミスのため規格外の胃潰瘍(かいよう)などの治療薬を製造し自主回収した問題で、同社が昨年11月、調合ミスのない別サンプルを意図的に品質検査に出したことを認める報告書を岐阜県に提出していたことが分かった。 治療薬は「ガスポートD錠20ミリグラム」(一般名ファモチジン)。昨年2月13日製造の約2万8000箱で有効成分を誤って調合したが、社内の品質検査をすり抜けて出荷された。 岐阜県によると、報告書の提出は昨年11月16日。その中で規格外の製品が品質検査を通過した原因を「現場の担当者が調合ミスの発覚を恐れ、別ロットのサンプルを検査に出した」と説明していた。 同県は報告書で初めて意図的な品質検査の操作を把握し、悪質とみて行政処分の検討に入った。同社が自主回収した製品を県の研究機関で調べ、今月上旬に規格外と確認した上で、業務停止命令を出す方針を固めた。 高山工場の工場長は17日、本紙の取材に対し、別サンプルを意図的に検査へ回した点について「組織的に指示はしていない」と語り、担当者個人の判断だと強調した。 (中日新聞)
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