飲酒米兵ひき逃げ追突 親子3人が負傷

辺野古の国道 軍が容疑者逮捕

前輪が縁石に乗り上げ、放置された米軍車両=17日午前11時ごろ、金武町中川

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2010年3月18日 10時05分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録
(3時間41分前に更新)

 16日午後10時55分ごろ、名護市辺野古の国道329号で、米軍車両が前を走っていた軽乗用車に追突、逃走した。名護署によると、軽乗用車は大破、乗っていた親子3人は額を4針縫うなど、それぞれけがを負った。県警がひき逃げ事件として米軍車両の行方を追っていたところ、発生から約30分後、約12キロ離れた金武町金武の同国道沿いで、目撃情報に似ている米軍車両を発見。米憲兵隊が17日午前1時ごろ、現場から数キロ離れた路上で、事件を起こした疑いのある米海軍下士官の女性3等兵曹(25)を逮捕した、と在沖米海軍が発表した。

 在沖米海軍によると、下士官の身柄は米軍施設内で拘禁しており、米軍の調べでは、事件が起きた夜に酒を飲んでいたという。県警は、米軍の発表内容の確認とともに下士官の出頭を要請しており、自動車運転過失傷害と道交法違反(救護義務違反、事故不申告)の疑いや飲酒運転の可能性もあるとみて任意で事情聴取する方針だ。

 名護署によると、軽乗用車が名護市二見方面から宜野座向けに約30キロの速度で進行中、後方から走ってきた米軍車両に追突されたという。軽乗用車の助手席に乗っていた男児(2)が額を4針縫うけが、後部座席の男児(10)が鼻を打撲、運転していた基地従業員の父親(45)は首をねんざした。

 追突現場は見通しのよい緩やかな上り坂の直線道路。同署によると、追突当時、米軍車両がかなりのスピードを出していたという目撃情報があるほか、現場には米軍車両のブレーキ痕も残っていたという。また、追突直前に現場付近から約320メートル離れた路上で、同車両とよく似た車が中央線をはみ出し、対向してきた普通乗用車に接触した事故報告もあり、同署が関連を調べている。

 県警が発見した米軍車両は、ナンバープレートに米海軍を示す「NAVY」と書かれたジープ型車両「ハンビー」。発見当時の車両は無人で、ガードレールに接触した状態で放置されていた。また、エンジンもかかった状態で、前部左バンパーやライトなどが破損していたという。

「地位協定 甘いかも」
知事、不快感示す

 仲井真弘多知事は17日、米軍人によるひき逃げ事件について「けがをした人を置いたまま逃げており悪質。極めて遺憾というしかない。救急措置もせず、まったくいいかげんにしてほしい」と強い不快感を示した。記者団に答えた。

 米軍の管理下で拘束されていることに「論外だ。地位協定が甘いのかもしれない。ある程度の決まりは必要だが、(米兵の)権利を守りすぎているのではないか。だからこういうことを平気でやる」との見解を示した。

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