またも米兵による悪質なひき逃げ事件が発生した。米憲兵隊が女性海軍兵を逮捕し、アルコールを検知した。米軍の公用車両を酒を飲んで運転し、事件を起こしたのであればより重大だ。米軍に強く抗議し綱紀粛正を求めたい。
県内では昨年11月に読谷村で米兵によるひき逃げ死亡事件が発生。先日も県立中部病院敷地内に米軍車両が侵入し、ガードレールを破損する事件が起きたばかりだ。通報や救護を怠り逃走する犯行は県民の生命、財産を軽視するものであり許せない。
16日夜のひき逃げ事件は名護市辺野古で米軍車両が軽乗用車に追突して逃走し、軽乗用車の父子3人がけがをした。軽乗用車は大破し、大事に至る危険性もあった。
直前にも米軍車両は対向車との接触事故を起こしたとみられ、女性海軍兵が米軍に逮捕された。
米軍の軍用車両の管理はそれほどずさんなのか。米兵がどこで酒を飲み、どのように軍車両を施設外に持ち出したのか。米軍の管理体制が厳しく問われる。
重大事故を起こしながら救護もせず逃走した悪質事犯である。全容の解明には本人の取り調べが不可欠だ。米海軍は県警捜査への全面協力を表明しているが、早急に身柄を県警に引き渡すべきだ。
読谷村のひき逃げ死亡事件でも被疑者の米兵の身柄引き渡しは起訴後と遅れた。被疑米兵の事件前の飲酒が疑われたが、本人や周辺の事情聴取の遅れもあり、結局、飲酒運転は立件されていない。
県警は同じ轍(てつ)を踏まぬよう、米兵の引き渡しを求めるべきだ。平野博文官房長官は「大変残念な事件」と遺憾の意を表明したが、口先の言葉でなく米軍に身柄を要求する行動を求めたい。
米兵のモラルの低下は目に余る。14日夜にも那覇市内で酒気帯び運転と、捜査妨害で海兵隊員2人が逮捕されている。信号無視の無謀運転の上、基準値の5倍に上る酒気が検知されながら飲酒を否認している。
中部病院への車両侵入を含め、米兵の法令順守の意識が欠落しているとしか思えない。
ひき逃げ車両は金武町内で発見されたが、米軍が基地内に運び去った。2004年の沖国大ヘリ墜落、08年の名護市の米軽飛行機墜落事故でも機体が米軍に持ち去られた。県警による被疑者と物証の両面の十分な捜査が確保されなければ、真相解明も危うい。
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