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【芸能・社会】押尾学被告への重い…涙で激激白 元妻・矢田亜希子女優復帰へ2010年3月18日 紙面から
フジテレビ系スペシャルドラマ「刑事・鳴沢了〜警雨」(仮題=今年放送)の撮影で4月から約1年ぶりに仕事復帰する女優矢田亜希子(31)が17日、東京都内で本紙などのインタビューに応じ、保護責任者遺棄致死などの罪で起訴された元夫で元俳優の押尾学被告(31)への思いや、一連の事件について初激白した。矢田は昨年8月に押尾被告が麻薬取締法違反で逮捕されて以降芸能活動を自粛していたが、2歳の愛息とファンのため再起を決意。「事実は事実として受け止め、子どもにも胸を張って生きていきたい」と涙で心機一転を誓った。 その表情は、かつてCM女王と呼ばれた清純派女優の輝きを取り戻していた。取材部屋に記者を笑顔で招き入れた矢田は冒頭、「こんな事態になってしまい、本当に申し訳ありません。よろしくお願いします」と丁寧にあいさつした。 昨年8月3日に押尾被告が逮捕された直後は一睡もできないほど憔悴(しょうすい)し、同7日に離婚を発表。心に負った深い傷もようやく癒えた。仕事復帰するにあたり、「自分の言葉で伝えたい」という思いから、沈黙を破ったのだ。 「最初は驚きと信じられない気持ちでいっぱいでした。彼がそんなこと(薬物使用)をしているなんて、全く気付きませんでした。私たちはともに生活を送っていなかったので、それを見抜けなかったのは情けないですけど…」 ドラマ共演がきっかけで2006年に結婚。07年に長男が誕生した。だが、押尾被告は映画の撮影などで海外を拠点に活動していたため、日本と海外を行き来する生活となり、毎日一緒に暮らしていたのは結婚後半年ほどだけだった。 さらに、新事実も明らかにした。昨年初めにはお互いに離婚届に押印、いつでも出せる状態になっていたという。結婚して数カ月後に押尾被告の女性問題が浮上。それでも矢田は「信頼を取り戻すために頑張る」という押尾被告の言葉を信じ、夢を追い続ける夫を応援した。だが、その後も女性トラブルなどで夫婦関係は悪化し、事実上の“別居”状態にあった。 「本当に(離婚届を)出そうと思ったのは去年の5月です。価値観の違いや、2人が理想とする家庭像が違ったりとか、あまり話し合いができなかったりとか…」。声を絞り出すように激白すると、矢田の目からこらえていた涙がせきを切ったように流れ出た。 長男の将来を気遣い踏みとどまっていたが、事件がきっかけで離婚を決意。自分を責めて苦しむ絶望の日々に希望を与えてくれたのは、やはり最愛の息子の存在だった。 「子どもの力ってすごいなって実感できたし、私の生きがいになりました。出産を経験できたことで、人生観すべてが変わってしまった。母は強くなきゃいけない。これから私が一生責任を持ってちゃんとしっかり育てていきたい。それが先にあるからこそ、すごく頑張れるんです」 再び涙を流しながらこのように力強い決意を語った矢田。ドラマの役柄は皮肉なことに女刑事。母としての責任と強さを胸に、女優としての新たな人生が幕を開ける。 (江川悠) ◇法に触れるものに手を出すとは信じられない 一問一答−押尾被告が薬物を使用していたことは知っていたのか 「まったく知りませんでした。まさか法に触れるようなものに手を出すとは信じられませんでした」 −押尾被告に最後に会ったのは 「7月の終わり。海外から帰ってきたばかりで、1カ月ぶりに会いました。すごく前向きな感じで『いい仕事ができたよ』って、(映画の)撮影のエピソードを聞いたりしました」 −別居に至るほど気持ちが離れた原因は 「信頼関係がもつれたり…。あまり言いたくないですけど、きっかけになったのは07年の春ぐらい。女性関係? そうですね。でも夫婦ですからそういうことも乗り越えながらうまくやっていけるっていう気持ちでずっといました」 −押尾被告の様子の変化など、気付いたことは 「ここ2年ぐらいで交友関係が広がったような感じがしますけど、それはこういう(俳優の)仕事していますから。忙しくなってるということで、いい方向に向かっているのだと思っていました」 −事件後、押尾被告や同被告の両親から連絡は? 「ないです。連絡するつもりも? ないです」 −長男には事件のことをどう伝えるか 「2歳と4カ月ですから、今は父親の顔も分かっていないと思います。いつかちゃんと事実を話すときが来ると思うので、そのときは伝えようと思います。事実は事実として受け止めて、私が頑張って全力で守って、二人で生きていくしかない」 −(一連の事件で逮捕された)泉田勇介被告に会ったことは? 「二度お会いしました。昨年5月です。(押尾被告に)『これから一緒にビジネスをやっていく』と紹介されました。私たち(夫婦が)子どもを連れてディズニーシーに行くことになり、現地で待ち合わせたとき、なぜか彼も一緒にいました」 −今、押尾被告に言いたいことは 「自分のしてしまった罪を深く反省してほしい。自分の取った行動でご迷惑をおかけした方がたくさんいらっしゃいますので、誠意と責任を持って行動してやり直してほしい」 ▼押尾学被告メモ 押尾被告は昨年8月3日、合成麻薬MDMAを使用した容疑で麻薬取締法違反の疑いで逮捕され、所属するエイベックスから契約を解除された。同7日に矢田が離婚を発表。11月に東京地裁が懲役1年6月、執行猶予5年の判決を言い渡した。 12月7日には、飲食店従業員田中香織さん(当時30)にMDMAを譲り渡したとして、警視庁が同法違反(譲渡)容疑などで押尾容疑者ら3人を逮捕。さらに今年1月25日、六本木ヒルズのマンションで一緒にMDMAを飲み、容体が急変した田中さんに適切な救命措置を取らず、放置して死亡させたとして保護責任者遺棄致死罪で起訴された。
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