福岡市西区の能古島で会社員諸賀礼子さん(32)の遺体の一部が見つかった事件で、諸賀さんの自宅の居間や浴室などから血痕が見つかっていないことが17日、捜査関係者の話で分かった。県警は、諸賀さんが事件に巻き込まれ死亡後、自宅以外の場所で切断され、遺棄されたとみて調べている。
県警によると、能古島の海岸に打ち上げられた遺体は腰の部分だけ。生存時に切断された場合、生じる出血などの生体反応は認められず、死亡後、鋭利な刃物で切断された可能性が高い。
捜査関係者の話では、諸賀さんが6日に行方不明になった後、県警は室内や浴室などを捜査。暴行を加えられたり、遺体が切断されたりした可能性を調べるため、血痕や尿などが付着していないか見分したが、確認できなかったという。
捜査関係者や勤務先の医薬品卸会社によると、諸賀さんは5日午後7時に勤務先を出た。翌6日午前5時、ゴルフに行くため、同僚が諸賀さん宅を訪ねた際は、反応がなかったという。通勤に使っていたマイカーは自宅マンションの駐車場に残され、車の鍵も自室内のバッグから見つかっていることから、いったん帰宅した後に、行方不明になったとみられている。
=2010/03/18付 西日本新聞朝刊=