岡山放送局

2010年3月17日 18時52分更新

造山古墳で“周濠”を確認

5世紀前半に造られ国内で4番目の規模を誇る岡山市の「造山古墳」に、古墳の周囲を巡るように濠(ほり)が掘られていたとみられることが、岡山大学の発掘調査でわかりました。濠が存在するかどうかについては専門家の間でも50年以上にわたって意見がわかれ、今回の調査の結果が注目されていました。

これは岡山大学が今月6日から行っていた発掘調査の結果、わかったものです。
それによりますと、地層の形状から古墳の周囲をめぐるように濠が掘られ、その外側には堤を造るように土が盛られていたことが確認されました。
また濠の底にあたる部分には、有機物が堆積していた形跡があることから、濠に水が張られていた可能性が高いこともわかりました。濠の幅はおよそ20メートルとみられ、仮に濠が古墳のまわりを1周していたとすれば、長さはおよそ1キロにのぼるとみられています。
今回の発見について調査にあたった岡山大学の新納泉教授は「造山古墳が近畿地方で発見されている天皇の古墳などと比べて遜色のない施設をもつことがわかり、当時の吉備地方を治めていた王族の勢力の強さを示す貴重な発見だ」と話しています。