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山本病院の業過致死:「運が悪かった」理事長、容疑を否認 /奈良

 大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」(破産手続き中)で肝臓手術を受けた男性患者(当時51歳)が死亡した事件で、奈良地裁は17日、業務上過失致死容疑で逮捕された理事長で医師の山本文夫容疑者(52)と主治医だった塚本泰彦容疑者(54)について、10日間の拘置延長を認める決定を出した。捜査関係者によると、山本容疑者は「患者も僕も運が悪かった」などと、依然として容疑を否認しており、詰めの捜査を急いでいる。

 捜査関係者によると、男性は06年1月に山本病院に転院。同3月、肝臓に腫瘍(しゅよう)が見つかった。CT(コンピューター断層撮影)検査で良性の肝血管腫と分かったが、2人は「肝臓がん」とうその診断をし、6月16日に摘出手術に踏み切った。

 手術は午前10時過ぎに開始。腫瘍は背中側にあり、通常なら肝臓を裏返して切除する。しかし、山本容疑者は十分に止血しないまま、胸側から切除していった。その際に肝静脈を傷つけ、大量出血させた。

 山本容疑者は傷口を縫合した後、「飲みに行く」と言って病院を出た。男性は出血が止まらず、塚本容疑者らが2回、同市内の赤十字血液センターから血液を取り寄せて輸血したが、心肺停止状態になった。男性は病室に移され、午後1時半ごろから看護師や放射線技師が心臓マッサージを続けたが、午後3時39分ごろに死亡が確認された。

 捜査関係者によると、輸血用血液の発注書は、2回のうち1回は手術数日前の日付になっていた。輸血用血液を準備していなかったことを隠すため、偽造した疑いがあるという。山本容疑者はこれまでの調べに対し、「たまたま肝臓に異常血管があった。病院は死ぬところ。患者も僕も運が悪かった」と話しているという。【上野宏人、高瀬浩平、大森治幸】

毎日新聞 2010年2月18日 地方版

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