Webサービス図鑑/レビュー:図書館に行きたくなるWebサービス「カーリル」を試してみよう
全国の図書館から書籍を検索し、蔵書の有無や貸し出しの可否を調べられるWebサービス「カーリル」。簡単な使い方と各種設定方法をまとめてみた。
全国の図書館に対応した蔵書検索サービス「カーリル」がWeb上で話題になっている。3月10日の公開以来、1500を超えるはてなブックマークを集め、公式Twitterアカウント@caliljpにもユーザーから多くの要望が寄せられている。
運営元は米Nota。メモ帳&クリッピングソフト「紙copi」の開発などで知られる洛西一周氏がCEOを務める企業だ。米国に拠点を置くNotaだが、カーリルの80%以上は岐阜県中津川市での開発合宿で開発されたという。今回のWebサービス図鑑では、そんな“ほぼ国産”Webサービス・カーリルの基本的な使い方をお届けしよう。
まずはログインしておこう
カーリルにアクセスしたら、さっそく読みたい本を検索……してみたいところだが、先に各種設定を済ませておいた方が後々便利だ。カーリルはログインしなくても使えるサービスだが、ログインすることで「検索対象とする図書館の設定&履歴の保存」や「読みたい本をリストにして印刷」といった機能が使えるようになる。
というわけで、まずは画面右上からログインしておこう。ログインには「Google」「Yahoo!JAPAN」「mixi」の各アカウントがそのまま使えるので、既にこれらのWebサービスを使っている人なら、わざわざ会員登録をする必要はない。
通えそうな図書館を選ぼう
ログインしたら、トップページの「図書館を選ぶ」をクリック。すると日本地図のウィンドウがポップアップする。地図上をクリックしてエリアから選ぶか、市区町村名などをフォームに入力して検索すると、指定した地域の図書館が自動で検索対象に設定される。
初めて使うときは、この画面で「さらに詳しく設定」を選んでみよう。ここではデフォルトで設定された図書館のチェックを外したり、別のエリアを追加したりできる。エリアは3つまで登録できるので、自宅付近に加え勤務先など、通えそうな場所はすべて登録しておくとよいだろう。
出掛ける前には「読みたい本リスト」を印刷
ここまでで一通りの設定は完了。あとは、右上のフォームにキーワードを入力して検索するだけだ。入力するキーワードは書籍名や著者名はもちろん、「絵本」や「ミステリー」といったジャンル名でもOK。複数語を組み合わせた絞り込み検索にも対応している。
検索結果ページには書影(表紙画像)と書籍名、著者名、蔵書の有無と貸出の可否が並ぶ。一番下には「読みたい/読んだ」ボタンがあり、ログインしていれば「読みたい/読んだ本リスト」に1クリックで登録できる。実際に図書館を訪れるときには、読みたい本リストを印刷しておくとスムーズに借りて回れるだろう。
各書籍ページにはAmazon.co.jpへのリンクもあるので、どうしても読みたい本が「蔵書なし」の場合はここから購入できる仕組みだ。このほか、最近のベストセラー作品の貸し出し状況や、作家ごとの著作一覧、現時点で4300を超える全国の図書館マップも用意している。
分かりやすいユーザーインタフェースとストレスを感じさせない検索スピードで、作り込まれている印象を受けるカーリル。現時点ではPCからの利用がメインではあるが、近日中にAPIも公開予定とのことだ。携帯電話やスマートフォンからの利用はもちろん、書籍の名言を共有できる「Inbook」などのソーシャルサービスとうまく連係できたら、さらに利用者数は増えていくだろう。
カーリルで見つけた本を借りに行った先で、自分と同じ本を探している人と出会うこともあるかもしれない。Web上で書籍と出会い、図書館というリアルな場で今度は人と出会う――。出会いをつくりだすWebサービス「カーリル」の今後に期待だ。
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