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[米国]
「多くの人に不快感を与えた」――マイクロソフトがIE 8の動画広告について陳謝
女性が嘔吐するシーンに批判が殺到
(2009年07月06日)
米国Microsoftは、Internet Explorer(IE)8のオンライン動画広告を削除した。女性が突然嘔吐するシーンが含まれており、見る人に不快感を与えるという批判を受けての措置だ。
このオンライン動画広告は、米国人の俳優ディーン・ケイン(Dean Cain)氏が出演しているもので、女性が夫のWeb閲覧履歴を見て嘔吐するシーンが出てくる。YouTubeにはまだこの広告が残されているが、YouTubeのIE8videosチャンネルとMicrosoftがIE8の販売促進キャンペーン用に開設したサイトBrowsefortheBetter.comからはすでに削除されている。
問題の広告は、IE8に搭載されているInPrivate機能を宣伝するためのもので、Web閲覧履歴を残さないようにする同機能を使えば、Web上での行動を他人に見られるおそれがなくなるという点をアピールする内容だ。しかし、この動画広告を見た人の多くはその内容に不快感を示しており、「これほどまでに不快感を催すのは、Microsoftが制作したからに違いない」という声すら出ている。
YouTubeには、「これは、Appleの狂信的なファンが制作した偽の動画広告に違いない。Microsoftがこのような物を作るわけがない」というコメントや、「非常に不快だ。Microsoftよ、君を好きになろうとしているが、君のほうでそれを難しくしている」といったコメントが寄せられている。また、「私もIEを使っていて吐き気を催したことがあった」というようなMicrosoftを揶揄するコメントも寄せられている。
この動画は、朝食の後、妻が夫にPCを貸してほしいと頼む場面から始まる。しかし、夫がそれまで閲覧していたものを見た妻が突然嘔吐し、吐瀉物に足を滑らせて倒れた夫にまた吐瀉物をはきかけるという展開になっている。そこにケイン氏が登場し、「過激な内容のWebサイトを見ている人からコンピュータを借りた場合、吐き気を催すようなコンテンツを見せられる可能性がある」と解説を加える。
Microsoftは、7月2日に電子メール経由で声明を出し、苦情を受けこの動画広告(シリーズ化されているIE8の動画広告の1本)を削除したと明言するとともに、不快感を与えるのは本意ではなかったと陳謝した。
同社では、「当社は、顧客の意見に耳を澄ませている。IE8のInPrivate機能をアピールするために制作した動画広告が結果的にふざけた印象を与えることになってしまった。IE8のマーケティング・キャンペーンでは、ユーモアのある動画広告が好評だったが、この広告は不適切だった。大方の反応は肯定的なものだが、一部の顧客は不快に感じたようなので削除することにした」と説明している。
(Elizabeth Montalbano/IDG News Service ニューヨーク支局)
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