わが国民の気質の一つに「判官(ほうがん)贔屓(びいき)」ということがある。即(すなわ)ち、弱者擁護の傾向だ。英語で言うなら、メジャーよりマイナーに与(くみ)する心性といってもいい▼自民党は先の総選挙で大敗、下野したのだから、いわばメジャーからマイナーに転落した存在。しかも、政権奪取でマイナーからメジャーに成り上がった民主党は失点続き。なのに、いっかな国民から贔屓にしてもらえない▼それかあらぬか、有力議員から執行部批判が相次いで、ついには元閣僚離党の事態に。そういう面々が連帯し、何かが起こるかどうかは知らないが、正直、こうした動きはピントはずれに見える▼小泉時代が特殊だっただけで、自民党は、もう政権党としてはずいぶん前に終わっていた。だから、野党になったのは出直しのまたとない好機である。今、なすべきことは、まず、一流のマイナーになることだろう▼それが「別の選択肢」としての生き残りにもつながるわけで、こんな大事な時期はない。それが、どうだ。野党になって権力の座から離れた途端にガタピシと。ただマイナーなだけで、その覚悟が見えてこないうちは、贔屓も増えるはずがない▼与党内マイナーの社民党、国民新党もそうだが、メジャーを制御するマイナーの存在は極めて重要だ。今度の自民党の騒動が、ただマイナーを一層マイナーにするだけに終われば不幸である。