03年に市立室蘭総合病院で子宮頸がんの手術を受けた後、がんを再発して死亡した室蘭市の女性(当時41歳)の遺族が「手術に過失があった」などとして、市と執刀医に計約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、札幌地裁であった。杉浦徳宏裁判長は手術に過失を認めなかったものの、治療方法の説明義務違反があったとして、市と執刀医に計70万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は02年1月、子宮頸がんの治療のため手術を受けたが、03年1月に再発して死亡。杉浦裁判長は「執刀医の一連の治療に不適切な点はない」としたが、「治療方法として手術以外に放射線療法があったにもかかわらず、その説明を怠り、女性の自己決定権を侵害した」と指摘した。【水戸健一】
毎日新聞 2010年3月17日 地方版