福岡市の能古島の海岸で、女性の遺体の一部が見つかった事件。遺体は今月6日から行方不明となってた会社員・諸賀礼子さん(32)と断定されました。
「驚きました。ビックリですよ。とてもにこやかにあいさつをしてくれる良い感じの人。あいさつは知らない人にもしますね」(実家近くの人)
諸賀さんは、あるトラブルを抱えていたことが分かりました。諸賀さんは去年11月、帰宅途中にオートバイとの接触事故を起こしていました。その事故で、相手方と過失の割合に関してトラブルになっていました。
これは、諸賀さんのものとみられるインターネットの会員制サイトの書き込みです。
「バイクの修理を全部、私の保険で負担して欲しいという相手の方と私の保険会社とは当然話が折り合わず、しまいには私の家まで行くと言い出したそうなので、弁護士を立てました」(諸賀さんのものとみられる書き込み)
このほかにも、「本人らしい人がうろついている」「その後もかなり警戒して帰ってきている」と書き記しており、不安を募らせていました。さらに、今年初めの書き込みには・・・
「大晦日に10回の着信。元旦に7回の着信。そのうち5回はワンギリです。昨日は3回がワンギリ着信。今日は2回のワンギリ着信」(諸賀さんのものとみられる書き込み)
迷惑電話に悩まされていた様子がうかがえます。
諸賀さんは、福岡県内の医薬品卸会社に勤めていました。会社によりますと営業成績もよく、責任感が強い、後輩の面倒をよく見る社員だったと言います。諸賀さんは大学を卒業後、初の女性営業職として入社。およそ740人いる営業社員の中では上位の営業成績で、将来の幹部候補としても期待されていたといいます。
「弊社の有望な社員が今回のような事件に巻き込まれ、非常に憤りを感じております。犯人を許すことは絶対に出来ません」(勤務先の発表文)
窓ガラスが割れた諸賀さんの部屋の窓。一体、何があったのでしょうか。勤務先によりますと、諸賀さんは今月6日、職場のゴルフコンペに参加する予定でしたが、何の連絡もないまま欠席。その後も連絡がとれないことから、翌日7日に諸賀さんの両親が捜索願を提出しました。
警察によりますと、諸賀さんの失踪当時、2階の部屋の玄関の鍵はかかったままでしたが、窓ガラスは内側から割れていました。室内に荒らされた形跡はなく、財布も残されたままでした。
諸賀さんが失踪する直前には、近所の住民が男女の言い争う声を聞いており、この情報は警察も把握しています。17日も、遺体や遺留品の捜索が行われている能古島。
「(Q.ここですか?)ここに(遺体が)ありました。こっちが背骨の方ですね」(第一発見者)
諸賀さんの自宅から遺体の一部が発見された海岸までは、直線でおよそ11キロ離れています。遺体は死後、鋭利な刃物で切断され、その後、遺棄されたとみられています。諸賀さんの遺体の一部が見つかったのは、島の東側です。海岸線を歩いてみると、漂着ゴミが目立ちます。
「博多湾の中に流れ出すゴミは、風の影響でいろいろなところに流れ着く。どこかで誰かが掃除するか、砂の中に埋まるまで漂流するケースが多い」(のこのしまアイランドパーク 保田晋平さん)
博多湾に浮かぶ能古島は、潮や風の影響によって市街地側から流れてきたゴミなどが漂着しやすいといいます。
「(Q.溺死体はよくあがる? )あがりますね。ここ1、2年はないけど、ちょっと昔まではここから先で結構あがってました」(地元の漁業関係者)
諸賀さんの身に何が起こったのか、どこで遺棄されたのか。警察は、残る部位や遺留品の捜索を進めるほか、交通事故のトラブルを含め交友関係などを詳しく調べています。(17日16:58)