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歓迎する声/ばらまき批判 高校無償化、子ども手当

2010年03月17日

 鳩山政権の看板政策「子ども手当法案」と「高校無償化法案」が16日、衆院を通過し、月内に成立する見通しとなった。支給対象となる鳥取県内の保護者は家計の負担軽減につながると歓迎する一方、「ばらまき」との批判も。自治体関係者からは、制度実施に不安と不満を募らせている声も聞こえてくる。

月内に成立する見通しとなった子ども手当法案。景気低迷が長引く中、歓迎する声も上がっているが…(本文と写真は関係ありません)

 景気低迷が長引く中、子ども手当について県内の保護者からは「家計を重視した」と歓迎の声が上がる。鳥取市内の子育てサークル「のびのびくらぶ」の山田康子代表(40)は「ありがたい話。子どもの保険などに充てて大いに活用したい」と喜ぶ。

 子ども手当法案は、2010年度に中学卒業までの子ども1人当たり月1万3千円を支給する内容。県によると、県内の支給対象は8〜9万人程度で、1カ月に11億円規模が支給されるという。

 半面、依然として「ばらまき」との批判も根強い。実際に支給を受けるのは父母のため、同市内の小学3年の保護者(38)は「親の娯楽費に回るなら本末転倒であり、結局は選挙対策で税金を配るようなもの」と指摘する。山田代表も「使い道を個人にゆだねるのは問題」と訴え、待機児童の解消のために保育所の整備を望む。

 一方、県内の自治体では、現行法の「児童手当」からの移行に向けて準備を進める。

 約1万7千世帯が支給対象の鳥取市。「いつから支給されるのか」「対象は」などと窓口に問い合わせが相次いでいるという。児童家庭課では、コンピューターの入力システムを変更する作業を急ぎ、今後は職員を増やすほか、研修にも取り組む方針だ。

 担当職員は「4月稼働に間に合うかどうか」と不安を漏らし、国の姿勢については「制度が浸透していないため、もっと国民に説明しなければ。児童養護施設に入所している子どもが対象となるかどうかも早く決めてもらわないと、対応ができない」と訴える。

 さらに、自治体が不満を募らせるのは負担増だ。鳩山政権は当初、地方負担を求めない方針だったが、結局は児童手当の地方負担分を活用せざるを得ない格好となった。

 県は10年度当初予算に約12億円の負担金を盛り込んだ。子育て支援総室は「約束違反であり、11年度以降の支給について、負担割合を見直してもらうよう要望していきたい」としている。



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