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【社会】

『民主都議は反対を』 子ども性描写漫画規制案

2010年3月17日 夕刊

 十八歳未満と判断される漫画やアニメなどの登場人物の過激な性描写を規制する東京都青少年健全育成条例改正案をめぐり、成否のカギを握る最大会派の民主党の都議に、反対するよう求める手紙や電子メールが全国から殺到している。見ず知らずの人から携帯電話にかかってくることもあり、インターネットを使った呼び掛けが「反対の声」を加速させているようだ。

 「数日で封書やはがきが約五十通。電子メールは百通以上。全部に目を通せないほどだ」。条例案を審議する総務委員会メンバーの民主都議には連日、「表現の自由を損なう」「幅広く規制されてしまう」などの意見が押し寄せる。審議時間が短いせいもあり、手紙は大阪や北海道、四国など各地から速達で届く。総務委員会所属でない都議にも数十センチの封書の束が。「条例を認めたら民主を支持しないと書いてあるものもある」と差出人の真剣さに驚く。

 女性都議の携帯電話には知らない人からかかってきた。「以前、あちこちで番号を教えたので、それをどこかで聞いたのでしょうか」。事務所の電話も鳴りやまない。新銀行東京や築地市場移転、五輪招致などのテーマではこんな現象はなかったという。

 こうした動きは、多数のブログやネット掲示板に「手紙を出そう」と書き込まれるようになった十日ごろから目立ち始めた。若手都議は「ネット時代の自然発生的な動きではないか」とみる。

 民主はこれまで漫画家らを呼んで意見聴取をしており、十八日の委員会審議を経て賛否の態度を決める。

 総務委員会は、採決に加わらない委員長(公明)を除き十四人。条例改正に賛成の自民、公明が六で、民主六、共産一、生活者ネット一。複数の民主幹部は「時間をかけて議論する必要がある」と話し、共産やネットなど他会派と調整して、次の議会に持ち越す「継続審議」に傾きつつある。

 

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