諸賀礼子さんの車の周辺で指紋採取など鑑識活動をする福岡県警の捜査員=3月8日、福岡市博多区
福岡市西区の能古島(のこのしま)北東の海岸で女性の遺体の一部が見つかった事件で、福岡県警は16日、DNA型鑑定などの結果、遺体は今月上旬から行方がわからなくなっていた同市博多区堅粕5丁目、医薬品卸会社員諸賀(もろが)礼子さん(32)と判明した、と発表した。県警は、何らかのトラブルに巻き込まれて殺害後に遺棄されたとみて、失跡前の状況などについて詳しく調べている。
捜査本部によると、遺体と諸賀さんの家族のDNA型鑑定の結果などから、遺体は諸賀さんと断定したという。司法解剖の結果、死亡したのは今月6〜9日ごろとみられるという。
諸賀さんは今月5日夜に勤務先を退社したのを最後に行方がわからなくなっていた。帰宅した形跡はあるという。翌6日朝、参加予定だったゴルフコンペの集合場所に現れず、連絡がつかなくなった。7日朝に上司が自宅を訪ねても応答がなかったため、県警に届け出た。
諸賀さんの部屋は窓ガラスが割れていたが、玄関は施錠されており、室内には激しく争ったような形跡はないという。財布なども残っていた。携帯電話は見あたらず、不通の状態が続いているという。
諸賀さんの勤務先は取材に対して「これまで無断欠勤はなかった。いなくなる心当たりがない」と話している。
県警によると、15日午後、能古島で貝掘りをしていた地元の女性が、波打ち際に打ち上げられた遺体の一部を発見。見つかったのは腰付近で、両足の付け根と腹部の計3カ所が切断されていた。切断には同じ刃物が使われた可能性が高いという。遺体の2カ所に生前にできたあざがあった。死後に遺体を切断され、海に捨てられたとみている。