福岡市西区の能古島で女性の胴体部分が見つかった死体遺棄事件で、遺体の状況から、死後に切断されて遺棄された疑いの強いことが16日、福岡県警捜査関係者の話で分かった。県警の捜査本部は同日午前、約70人態勢で能古島の海岸で遺体の他の部位や遺留品などを捜索する一方、遺体を司法解剖して死因と身元の特定を急いでいる。
県警などによると、遺体はへその下付近の下腹部から両脚の付け根までの胴体。関節部分が鋭利な刃物で切断されたとみられるという。検視では、生存時に切断された場合に生じる出血などの生活反応が確認されず、県警は遺体が死後に切断され、海中に遺棄された可能性が高いとみている。
遺体は中肉で、20-40代とみられ、死後数日から数週間経過、やや腐乱していた。県警によると、能古島では行方不明者はいないが、福岡市博多区堅粕5丁目の会社員女性(32)が今月6日から行方不明になっており、関連を慎重に調べている。
捜索は、遺体の一部が見つかった島北東側の海岸を中心に実施した。
=2010/03/16付 西日本新聞夕刊=