韓国経済、成長がスローダウン(下)

 ウォン安の恩恵に沸いた輸出業界の好材料も昨年末にはほとんど消え去った。韓国の輸出は、昨年3月にウォン相場が1ドル=1600ウォンに迫るなどウォン高で推移したことを受け、昨年半ばまで経済成長をけん引した。しかし、ウォン相場が昨年11-12月に1160ウォン前後に上昇したことで、10-12月期の輸出は実質1.8%減となった。輸出が成長率をむしろ押し下げた格好だ。

昨年のような急成長は期待薄

 財政支出と輸出による景気下支え効果が薄れる傾向は、今年も当面続く可能性が高い。2010年度予算案の財政支出は292兆8000億ウォン(約23兆3200億円)で、昨年に比べ9兆ウォン(約7100億円)も落ち込んだ。財政の健全性に対する懸念から追加的な財政支出も期待できない。李明博(イ・ミョンバク)大統領は今月11日の非常経済対策会議で、「現在の経済状況では追加補正予算の編成は検討していない」と述べた。昨年自動車販売を20%押し上げた買い替え税制支援策も昨年末で終了した。

 輸出は1-2月の月平均が320億ドルで、昨年10-12月期の月平均347億ドルよりも7.8%減少した。ウォン相場は16日現在、1ドル=1132.60ウォンで、昨年10-12月の1160ウォン台に比べ、ウォン高が進んでいる。したがって、ウォン安で輸出が伸びる「為替効果」を期待するのは難しい状況だ。中国が人民元を切り上げれば、相対的にウォン安となり、対中輸出で韓国製品の競争力が増す。しかし、中国は人民元切り上げを拒んでおり、そうした効果も期待できない。

 景気回復には、最終的に民間による投資と消費の回復が求められる。しかし、年始から民間経済は不振のままだ。1月の鉱工業生産は、税制支援策が打ち切られた自動車の生産が前月比15.6%減となるなどして、前月並みの水準で足踏みした。1月の小売業売上高は前月比1.3%減少した。

 LG経済研究院のイ・グンテ研究委員は「今後韓国経済は急激な為替変化か財政支出の変化がない限り、緩やかな回復にとどまる。昨年半ばのような高成長は期待できない」と指摘した。

方顕哲(パン・ヒョンチョル)政策・消費者チーム長

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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