韓国経済、成長がスローダウン(中)

 昨年初めとは状況がまるで異なる。韓国は昨年4-6月期に2.6%、7-9月期に3.2%の成長率を達成し、OECD加盟国で2位を記録した。韓国は景気回復が速い国として、世界の注目を集めた。

 昨年通年では、韓国の成長率は0.2%で、OECD加盟国ではポーランド(1.7%)、オーストラリア(1.4%)とともにプラス成長を達成した。しかし、10-12月期はポーランドが1.2%(5位)、オーストラリアが0.9%(8位)の成長を示したのに対し、韓国の成長速度は急速に鈍化した。

財政出動と輸出の景気効果が縮小

 成長速度が鈍化したのは、昨年前半に韓国経済の急速な回復をけん引した財政支出と輸出による景気押し上げ効果が低下しているためだ。

 財政支出は、昨年4月に28兆4000億ウォン(約2兆2600億円)規模の大型追加補正予算を組み、昨年前半に集中的に執行したことで、4-6月、7-9月の成長率を押し上げた。しかし、昨年後半に入ると財政支出の余力が低下し、景気押し上げ効果は弱まった。昨年前半に韓国政府がつぎ込んだ予算は172兆ウォン(約13兆7000億円)だったが、後半には101兆ウォン(約8兆500億円)へと40.6%も減少した。このため、政府消費支出は7-9月にマイナス0.8%、10-12月にマイナス2.9%を記録した。

 これに対し、予算の早期執行を行わなかった他国の場合、下期に政府消費支出が大きく落ち込むことはなかった。オーストラリアの政府消費支出は7-9月が1.4%増、10-12月は1.8%増と伸び率が拡大。日本も7-9月が0.1%増、10-12月が0.8%増だった。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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