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2010.03.15
普天間沖移設 勝連沖も選択肢 那覇基地の自衛隊機も集約
カテゴリ沖縄問題 出典 朝日新聞 3月15日 朝刊
記事の概要
平野官房長官が、米軍普天間飛行場の移設先として、米軍ホワイト・ビーチ(同県うるま市)にある勝連半島の沖合を検討してことを民主党沖縄県連側に伝えていることがわかった。
嘉納県連代表が14日、那覇市内で記者団に明らかにした。
関係者によると、勝連半島の沖合に、滑走路や港湾施設を備えた人工島を造成する構想と見られる。
嘉納氏によると、平野氏が10日、首相官邸で「沖縄県民の喜ぶような、納得する案を出さなくてはいけない」として、勝連沖案に言及。漁連が反対していないことを理由に、「持って行きやすい」と述べたという。
空自の戦闘機や海自の哨戒機が使用する那覇基地の自衛隊機も勝連沖に集約する構想を明らかにして、「那覇の基地を全部整理してなくせば地元も喜ぶ」「自衛隊がどけば民間使用が拡大して観光も増える」と語ったという。
鳩山政権は米軍キャンプ・シュワブ案を軸に検討を進めているが、勝連沖も有力な選択肢となる可能性がある。
ただ、勝連沖は過去に検討された経緯があり、新たに環境影響評価が必要で、実現には高いハードルがある。
平野官房長官が、米軍普天間飛行場の移設先として、米軍ホワイト・ビーチ(同県うるま市)にある勝連半島の沖合を検討してことを民主党沖縄県連側に伝えていることがわかった。
嘉納県連代表が14日、那覇市内で記者団に明らかにした。
関係者によると、勝連半島の沖合に、滑走路や港湾施設を備えた人工島を造成する構想と見られる。
嘉納氏によると、平野氏が10日、首相官邸で「沖縄県民の喜ぶような、納得する案を出さなくてはいけない」として、勝連沖案に言及。漁連が反対していないことを理由に、「持って行きやすい」と述べたという。
空自の戦闘機や海自の哨戒機が使用する那覇基地の自衛隊機も勝連沖に集約する構想を明らかにして、「那覇の基地を全部整理してなくせば地元も喜ぶ」「自衛隊がどけば民間使用が拡大して観光も増える」と語ったという。
鳩山政権は米軍キャンプ・シュワブ案を軸に検討を進めているが、勝連沖も有力な選択肢となる可能性がある。
ただ、勝連沖は過去に検討された経緯があり、新たに環境影響評価が必要で、実現には高いハードルがある。
コメント
過去に勝連沖が普天間飛行場の移設先として検討されたことがあるとは聞いたことがない。いつ、だれが検討したのか、それを明らかにして欲しかった。おそらくこの勝連沖埋め立て案を作った”詐欺師”たちが勝手に検討したのだと思う。
このHPの3月11日の What Newの「平野官房長官の腹案 勝連沖埋め立て案」でも指摘したように、この沖合埋め立て(人工島建設)では軍事基地としても機能が果たせないのである。
3月11日では、電力の供給、水道管の設置、交通インフラなど、人工島へアクセスが敵の破壊工作によって容易に破壊される危険(弱点)を指摘した。海上道路の真ん中でガソリンを満載したタンクローリーを爆破すれば容易にアクセスを遮断できる。
その他にも、狭い人工島では、平時や有事における警戒態勢や、有事の際の戦時物資集積に使う用地が確保できない。対空部隊の展開、航空燃料、航空機の部品、整備施設、格納庫、兵員宿舎など、広大な土地を確保する必要があるのだ。
そのために、軍用飛行場の周囲にゴルフ場などを整備して備えているのである。
勝連沖の海面を埋め立てて、海上飛行場の周辺にゴルフ場を作れるわけがないだろう。それに建設費を試算しても海上基地費は1兆円を軽く越えると思われる。
このようなアイディアを誰が平野官房長官に囁(ささや)いたのか。まず犯罪者プロファイリングから整理すると、この者は一般の人(政治家も含む)には知識が薄い軍事問題を専門的に検討したように見せかけている。しかし陸上基地として重要な要素の基地周辺機能を検討した形跡がない。
これは海上自衛隊の出身者によるアイデアである特徴を示している。海軍は艦船で海上を移動するので、そのあたりの軍事知識が希薄である。
また、以前にも書いたが、これは橋元政権時代に浮上した辺野古沖埋め立て案(人工島)と酷似している。橋元首相、野中幹事長、稲嶺沖縄県知事が信じて採用したが、米軍が嫌ってこの人工島計画が進展しなかった移設案である。
その後、沖合埋め立て案はキャンプ・シュワブ沿岸案に変更される。
同じことの繰り返しに、海上自衛隊の”伝統墨守””唯我独尊”の考え方に極めて近いものを感じる。
地元にとっては那覇空港の民間活用範囲が広がる、莫大な埋め立て費用(公共工事)が期待できる、米軍を沖合に追いやることができるなど、一見するとバラ色の計画のように見えるかもしれない。
そこに詐欺師の魂胆が隠されている。その埋め立て工事や基地施設建設を、大手土建会社に請負させて基地利権を稼ぐためである。しかし米軍側の拒絶にあって埋め立て案が進展する可能性はない。
自民党の国防族時代にはこの手が使われ、多くの防衛利権政治家と防衛利権のフィクサーが暗躍した。
しかし今回のように基地利権に米軍が絡めば、軍事知識の無さを悪用することはできないだろう。明らかに欠陥基地では米軍が合意できないからだ。
今は平野官房長官やメディアがいかに彼らによって騙されるか。その手口を拝見するだけの価値はある。かつて橋元政権が騙され、太田元沖縄県知事はこの埋め立て案で稲嶺前知事に知事選で敗れている。地元沖縄の経済界が巨大埋め立て基地の経済効果を期待したからだ。
また、沖縄の土建業者が、橋元政権のこの埋め立て案でバラ色の夢を見て挫折している。
今回のこの詐欺師の狙いは何か。それは平野官房長官を混乱させて、5月末結論を不可能にして、民主党を混乱させることであると思う。出来ないことを承知で持ちかけている。
それが証拠に、この詐欺師のコンサルタント会社には、自民党の元防衛長官や防衛相、それに防衛省や自衛隊将官OBが名前を連ねている。すなわち自民党国防族が支配した防衛利権の追求会社そのものである。
ここまで書いて、まだ平野官房長官が騙されるなら、それも平野官房長官の能力(運命)であると思う。
しかし沖縄の人は、このようなインチキ話に騙されないように、冷静に対処して頂きたい。普天間移設問題で”溺れる者はわらを掴む”と詐欺師に笑われないためである。
これで大火事になる前にボヤで消した。平野官房長官に生ビール1杯貸したよ。それでも大火事にするならしかたない。騙されて腹を切るのも政治家の宿命だ。
過去に勝連沖が普天間飛行場の移設先として検討されたことがあるとは聞いたことがない。いつ、だれが検討したのか、それを明らかにして欲しかった。おそらくこの勝連沖埋め立て案を作った”詐欺師”たちが勝手に検討したのだと思う。
このHPの3月11日の What Newの「平野官房長官の腹案 勝連沖埋め立て案」でも指摘したように、この沖合埋め立て(人工島建設)では軍事基地としても機能が果たせないのである。
3月11日では、電力の供給、水道管の設置、交通インフラなど、人工島へアクセスが敵の破壊工作によって容易に破壊される危険(弱点)を指摘した。海上道路の真ん中でガソリンを満載したタンクローリーを爆破すれば容易にアクセスを遮断できる。
その他にも、狭い人工島では、平時や有事における警戒態勢や、有事の際の戦時物資集積に使う用地が確保できない。対空部隊の展開、航空燃料、航空機の部品、整備施設、格納庫、兵員宿舎など、広大な土地を確保する必要があるのだ。
そのために、軍用飛行場の周囲にゴルフ場などを整備して備えているのである。
勝連沖の海面を埋め立てて、海上飛行場の周辺にゴルフ場を作れるわけがないだろう。それに建設費を試算しても海上基地費は1兆円を軽く越えると思われる。
このようなアイディアを誰が平野官房長官に囁(ささや)いたのか。まず犯罪者プロファイリングから整理すると、この者は一般の人(政治家も含む)には知識が薄い軍事問題を専門的に検討したように見せかけている。しかし陸上基地として重要な要素の基地周辺機能を検討した形跡がない。
これは海上自衛隊の出身者によるアイデアである特徴を示している。海軍は艦船で海上を移動するので、そのあたりの軍事知識が希薄である。
また、以前にも書いたが、これは橋元政権時代に浮上した辺野古沖埋め立て案(人工島)と酷似している。橋元首相、野中幹事長、稲嶺沖縄県知事が信じて採用したが、米軍が嫌ってこの人工島計画が進展しなかった移設案である。
その後、沖合埋め立て案はキャンプ・シュワブ沿岸案に変更される。
同じことの繰り返しに、海上自衛隊の”伝統墨守””唯我独尊”の考え方に極めて近いものを感じる。
地元にとっては那覇空港の民間活用範囲が広がる、莫大な埋め立て費用(公共工事)が期待できる、米軍を沖合に追いやることができるなど、一見するとバラ色の計画のように見えるかもしれない。
そこに詐欺師の魂胆が隠されている。その埋め立て工事や基地施設建設を、大手土建会社に請負させて基地利権を稼ぐためである。しかし米軍側の拒絶にあって埋め立て案が進展する可能性はない。
自民党の国防族時代にはこの手が使われ、多くの防衛利権政治家と防衛利権のフィクサーが暗躍した。
しかし今回のように基地利権に米軍が絡めば、軍事知識の無さを悪用することはできないだろう。明らかに欠陥基地では米軍が合意できないからだ。
今は平野官房長官やメディアがいかに彼らによって騙されるか。その手口を拝見するだけの価値はある。かつて橋元政権が騙され、太田元沖縄県知事はこの埋め立て案で稲嶺前知事に知事選で敗れている。地元沖縄の経済界が巨大埋め立て基地の経済効果を期待したからだ。
また、沖縄の土建業者が、橋元政権のこの埋め立て案でバラ色の夢を見て挫折している。
今回のこの詐欺師の狙いは何か。それは平野官房長官を混乱させて、5月末結論を不可能にして、民主党を混乱させることであると思う。出来ないことを承知で持ちかけている。
それが証拠に、この詐欺師のコンサルタント会社には、自民党の元防衛長官や防衛相、それに防衛省や自衛隊将官OBが名前を連ねている。すなわち自民党国防族が支配した防衛利権の追求会社そのものである。
ここまで書いて、まだ平野官房長官が騙されるなら、それも平野官房長官の能力(運命)であると思う。
しかし沖縄の人は、このようなインチキ話に騙されないように、冷静に対処して頂きたい。普天間移設問題で”溺れる者はわらを掴む”と詐欺師に笑われないためである。
これで大火事になる前にボヤで消した。平野官房長官に生ビール1杯貸したよ。それでも大火事にするならしかたない。騙されて腹を切るのも政治家の宿命だ。