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空自と那覇軍港移転 政府、勝連沖に併設検討2010年3月14日  このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 twitterに投稿する

地図

 政府が米軍普天間飛行場移設の有力な選択肢として検討している米軍ホワイトビーチから沖合の津堅島の間を埋め立てる案をめぐり、この造成地に航空自衛隊那覇基地や米軍那覇港湾施設(那覇軍港)を移転、併設する方向で検討していることが分かった。複数の政府関係者が13日、明らかにした。
 民主党県連の喜納昌吉代表も、10日に平野博文官房長官と面談した際、勝連沖案を説明されたと明らかにした。平野氏は、自衛隊那覇基地などを併せて返還することで県民の理解を求める考えを示した。
 さらに平野氏は、沖縄の振興策として宮古にカジノ施設を設置する案も示したという。
 喜納氏は「米軍、自衛隊の機能を集約させ、強化していくもので、見過ごすことはできない。沖縄の立場で政府と交渉する上で(県選出・出身の与党国会議員でつくる)うるの会がしっかりしないといけない」と述べた。
 政府はキャンプ・シュワブ陸上にヘリパッドか、1500メートル超の滑走路を建設する案と並び、ホワイトビーチ沖の造成案を本格的に検討。軍民共用で過密な那覇空港にある空自基地、返還が実現していない那覇軍港を海上埋め立ての普天間移設先に併設することで、地元の理解を得たい考えだ。
 だが県内では県外移設を求める声が強まっており、政府の思惑通りに進む見通しは立っていない。
 さらにシュワブ沿岸部を埋め立てる現行計画と同様、公有水面の埋め立てに県知事の許可が必要で、政府は説明に苦慮しそうだ。米政府も現行計画の履行を求める姿勢を崩していない。
 空自那覇基地はF15戦闘機を配備し、陸海各自衛隊の部隊も駐留。このため、政府は自衛隊の移転により民間専用で乗り入れ便を増やせるとして、危険除去と同時に、観光振興につながるとみている。
 2006年の日米合意で那覇軍港は浦添市沖の新たな施設に移設することになっている。
 ホワイトビーチ沖造成案は、沖縄本島東岸の勝連半島先端部分に位置する地域から沖縄の津堅島の間を埋め立てて滑走路を建設。周辺海域は浅瀬で、サンゴ礁がほとんど死滅しているとされ、政府は地元の合意が得られれば環境面での条件はクリアしやすいとみる。
 ただシュワブ陸上案とともに、現行計画決定までに日本側が検討を求め、米軍側が拒んだ経緯がある。仮に米国や地元が了承しても、いずれも完工までに10年程度を要すると見込まれている。

◆県内固執「おかしい」 県幹部、政府姿勢を批判
 ホワイトビーチと津堅島の間に米軍普天間飛行場代替施設を造り、那覇軍港と航空自衛隊那覇基地を移す案について、複数の県幹部は13日、「県内の案しか出てこないこと自体がおかしい」と、政府内で検討される案がすべて県内移設となっていることに批判の声を上げた。
 幹部の一人は「政府は県外(を検討する)と言っていたのに、シュワブ陸上とか津堅とか、出てくる案はすべて県内だ。政府に誤ったメッセージが届いているのではないか。議論の余地はない」と厳しく指摘。「沖縄の国会議員が県内移設を提案しているので、政府は沖縄にメリットを与えれば妥協すると思っているのではないか。沖縄が一枚岩ではないと踏んでいるのか」と懸念を示した。
 別の幹部は「那覇空港の滑走路をもう1本増やす計画をずっと進めてきているのに、今さら空自を移して過密解消するという話になるはずがない。空自も反対するだろう。いろいろな案が飛び交い、内容もめちゃくちゃだ」と述べた。

<用語>那覇港湾施設(那覇軍港)
 米陸軍の港湾施設で那覇市に位置する。面積は55万9千平方メートル。那覇空港に隣接し、主に陸海空軍や海兵隊の車両、貨物などの積み降ろしに使用され、船舶修理場も備えている。日米両政府が2006年に合意した米軍再編のロードマップで、施設の全面返還と浦添に建設される新たな施設に移設することが決まった。


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