林原自然科学博物館(岡山市)は16日、モンゴル・ゴビ砂漠の白亜紀後期(約7500万~7000万年前)の地層から、現在の鳥類の祖先にあたる新種の鳥化石を発見したと発表した。翼があり飛べるが、主に地上を走り回っていたと推定される。これまでに見つかった鳥類の祖先の化石は水辺の鳥のものが多かったが、同博物館の鈴木茂研究員は「現在の鳥類が、水辺の鳥からだけでなく内陸性の鳥からも進化した可能性を広げた」と話している。
同博物館がモンゴル科学アカデミー古生物学研究センターとの共同調査で97年に発掘。米国、モンゴルとの共同研究で、2月にオランダの学術雑誌「白亜紀研究」に発表した。
化石は、すね(17センチ)と中足骨(12センチ)など足の一部。現在の鳥類の祖先グループとされる「オルニチュウロモルファ類」で、関節部分に鋭い突起がある。「ホランダ・ルセリア」と名付けられた。
同類で陸地にいた鳥の祖先の化石は他に5種が発見されているが、主に地上を走り回る生態を持つ種は初めて。【椋田佳代】
毎日新聞 2010年3月17日 東京朝刊