岡山放送局

2010年3月16日 20時28分更新

がん作描いた画家に無罪判決

日本画家、東山魁夷などのがん作を本物と偽って売りつけたとして古物商の男らが逮捕された事件で、岡山地方裁判所倉敷支部は、がん作を描いたとして詐欺ほう助の罪に問われた画家の男性に対し、「捜査段階の自白を全面的に信用することはできない」として、無罪判決を言い渡しました。

この事件は、京都市の古物商の男ら2人が、日本画家の東山魁夷のがん作を本物と偽り、井原市の男性におよそ1億2800万円で売りつけたとして、詐欺の罪で有罪判決を言い渡されたものです。
古物商の男らは、福井市で絵画教室を経営する65歳の男性に絵を描くよう依頼し、男性も、がん作を描いたとして詐欺ほう助の罪に問われていました。
16日岡山地方裁判所倉敷支部で開かれた裁判で、篠原康治裁判官は、男性が起訴されたあと一貫して「本物と偽って売られるとは知らなかった」と供述していることについて、「一定の合理性が認められる」と指摘しました。
そのうえで、「捜査段階の自白を全面的に信用することはできない」として男性に無罪判決を言い渡しました。
判決について岡山地方検察庁の岩崎吉明次席検事は「予想外の判決で、内容を精査し、適切に対応したい」と話しています